福岡市の空港出資再議で廃案 1票が明暗分ける

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 福岡市議会で13日未明まで繰り広げられた、福岡空港の新運営会社に対する出資条例案を巡る攻防。再議決で否決、廃案になった結果を受け、高島宗一郎市長は報道陣に対し「否決にほっとしている。出資せずとも空港立地自治体としての責任をしっかり果たしていきたい」と語った。高島市長と対立して条例案を議員提案した自民党市議団の光安力会長は「本当に残念。(市長との関係は)修復したい」と厳しい表情。わずか1票が明暗を分けた。

 福岡空港の新運営会社に対する出資条例案を巡る攻防で自民など条例案賛成派にとって大きな「誤算」となったのは、2人の市議の動きだった。

 今月5日、条例案の提案者にも名を連ねた橋田和義市議が自民会派の退会届を提出した。「もともと出資はリスクが大きいと思っていた」として、採決で反対に回ると表明した。

 3月28日の1回目の本会議採決では反対が「20」だったため、再可決を阻止する3分の1の「21」に届く可能性が出てきた。条例案否決後、「造反者が出た時点で勝負あった」(自民市議)とのため息も漏れた。

 もう一人のキーマンは天野浩市議(維新)。11日から始まった市議会常任委員会における審議は、議会が求めた出席要請を高島市長が再三拒んだことで空転し、12日夜まで膠着(こうちゃく)状態が続いた。12日午後10時前後、前回採決で反対票を投じた天野氏が維新の会派方針を受け入れて賛成に回るとの情報が流れた。

 賛成が3分の2に届く公算が高まったとして、賛成会派は急加速した。日付をまたぎ午前1時に再開した常任委は約10分間で条例案を可決。続く午前2時半、本会議がセットされた。ところが、午前3時40分すぎに始まった記名投票方式の再議決で、天野氏は前回に引き続き反対票を投じた。

 天野氏は「これまでの自分の主張と整合性を取る判断をした。会派方針を裏切ったと思われても仕方ない」と終了後、報道陣に語った。賛成するとの党議拘束を破ったとして、福岡維新の会は13日、天野氏を除名した。

=2017/04/14付 西日本新聞朝刊=

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