沖ノ島接近制限盛らず 宗像市の遺産群基本条例案 市、文化財保護法で対応

世界文化遺産の構成資産となっている沖ノ島
世界文化遺産の構成資産となっている沖ノ島
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 世界文化遺産となった沖ノ島の価値を守ろうと、宗像市が3月議会に提案した「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群基本条例」案について5日、同市議会総務常任委員会で質疑が行われた。条例案には沖ノ島への接近制限事項はなく、上陸できない島にレジャー目的で接近する船をどうするかに議論が集中した。

 条例案は遺産群の景観や文化が信仰によって保全されてきたことを踏まえ、価値の継承に市、所有者である宗像大社、そして市民が役割を果たすことを明記した。

 沖ノ島は女人禁制で、宗像大社の神職が交代で常駐するほかは男性も入島できない。市はこうした特殊性を踏まえて、沖ノ島への接近制限事項などを条例案に盛り込むことも検討したが、公海上の船舶通行は国連海洋法条約などで認められていることから、市レベルでの制限は不可能と判断。そこで、沖ノ島と周辺岩礁が国史跡であることから、文化財保護法の管理下にあることを条例案にあえて明記した。

 委員会では「レジャー船が接岸しても違法とはいえないのか」「上陸しようとする行為を防ぐ手だてはないのか」などの質問があった。市は法的に接近制限はできないものの「文化財保護法には史跡に影響を及ぼした場合の原状回復や罰則規定がある」と説明。また「世界遺産登録により特殊な島だと知られるようになり、興味本位で近づく船が減ったとの報告もある。条例制定は、こうした啓発のきっかけになる」と強調した。

 宗像市が提案した同様の条例は富士山(静岡、山梨両県ほか)、知床(北海道)など他自治体でも制定されている。委員会は条例案を全員賛成で可決。23日の最終本会議で採決が行われる。

=2018/03/06付 西日本新聞朝刊=

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