ロープウエー構想に疑問噴出 福岡市・博多港WF再整備 「検証不足」「導入ありきだ」

ウオーターフロント地区の再整備後の将来イメージ(福岡市提供)
ウオーターフロント地区の再整備後の将来イメージ(福岡市提供)
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 福岡市は17日の市議会常任委員会で、博多港中央・博多ふ頭(ウオーターフロント・WF)地区の再整備に向けた事業計画を正式に報告した。JR博多駅とWF地区を結ぶ新たな交通システムを10年以内に導入するなどとした内容について、議員からは「ロープウエーありきでは」「検証が足りない」などの指摘が相次いだ。

 市はWF地区を博多、天神に次ぐにぎわいの「第3の核」と位置付け、クルーズ船ターミナルや、大型コンベンション(MICE)機能を持つ新ホールを新設する方針。高級ホテルも誘致したい考えだ。

 一連の再整備により、市は将来的に1日約16万人が周辺を行き来し、1時間当たり片道で最大2千人~1400人を運べる新交通システムが必要になると想定。有識者研究会を立ち上げ、ロープウエーやモノレールなど8事例を比較してきた。市はこの日の第4委員会で、現段階ではロープウエーが「輸送力」「安全性」「景観」「支柱が少なくて済む」などの面で利点があると報告した。

 これに対し、最大会派の自民党市議団の森英鷹前会長は「そもそも(新交通システムの)運営主体はどこなのか。もし民間が関与するなら利益を上げつつ、市民サービスにもつながる手法を構築しなければならない」。川口浩市議(無所属)も「誰が、何の目的で新交通システムに乗るのか、実情に即したシミュレーションが必要だ」とそれぞれ注文した。市住宅都市局の宮本章信都心創生部長は「今の交通需要予測をベースに、分かりやすく説明していく」と答弁した。

 また、同じくWF地区を巡るやりとりが交わされた第3委員会では、市が一帯の再整備事業費として、公共施設分で約400億円を見込んでいることに疑問の声が上がった。

 綿貫英彦市議(共産)は積算根拠を示す資料の提出を求めたが、市側は「他都市の類似施設での実績を参考に算出した」との回答にとどめた。江藤博美市議(市民クラブ)が、市の将来の財政負担に懸念を表明したのに対し、高島収・経済観光文化局長は「事業費の詳細はこれから関係局で話し合う」と述べた。

 市が導入を目指す宿泊税が「ロープウエー構想の実現に使われるのではないか」との質問も出たが、市側は「現時点で細かな施策まで検討していない」とした。

=2018/12/18付 西日本新聞朝刊=

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