技能実習生行政が守る 豊後高田市受け入れ団体設立へ 企業訪問労働実態を点検

 国内で増加する外国人技能実習生の労働環境を守るため、大分県豊後高田市は14日、賃金や労働時間を市が直接チェックする態勢づくりに乗り出すと発表した。市も関わって実習生受け入れ団体を設立、市職員が受け入れ企業を訪ねて労働実態を調べる。人手不足が深刻化する中、実習生を安定的、継続的に受け入れるための試み。厚生労働省によると、行政が直接、実習生の労働環境改善を図る取り組みは珍しいという。

 この日、市と豊後高田商工会議所、人材派遣会社が受け入れ団体設立に関する協定に調印した。団体には市職員を派遣し、空き家の改修など実習生の住居確保や身辺相談に取り組む。また、実習生を採用した企業には市職員が1カ月おきに訪問。勤務実態や給与水準、休暇の取得状況などを確認するという。

 市によると、市内の昨年12月の有効求人倍率(推計)は2倍超。自動車関連企業などで既に約300人の実習生が働いている。2025年には市内の生産年齢人口(15~65歳)は2千人減る見込みで、人手不足は深刻化している。一方、技能実習制度では低賃金が問題化。09年度に公益財団法人・国際研修協力機構が実施した調査では、平均給与が15万円未満だった。市は、行政が関わることで良好な労働環境をアピールし、主にベトナム人の受け入れ増加につなげたい意向だ。

 関西学院大の井口泰教授(労働経済学)は「実習生が貴重な労働力となっている以上、(行政主導で)受け入れ団体をつくったり、雇用先企業を監視したりする仕組みは望ましい」と評価している。

=2018/02/15付 西日本新聞朝刊=

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