「本当に人集められるか」 歓迎の業界、準備に不安も 外国人労働者受け入れ

 外国人労働者の受け入れ拡大を巡り、政府が新たな在留資格を検討する14業種ごとの見込み数をようやく示した。深刻化する人手不足に危機感を強める業界からは、受け入れ拡大への期待は大きいが「本当にそんなに集められるだろうか」との弱音も。制度の中身の議論が深まらない国会審議を見て「来年4月までに受け入れ体制を整えられるのだろうか」との不安やいらだちも漏れる。

 現時点で25万人が不足していると算定された外食産業。2019年度の受け入れ見込み数は4千~5千人で、不足数の2%程度にとどまる。日本フードサービス協会は「やみくもに不足数を穴埋めする制度ではないので、最初から数万人規模とはならないだろう。慎重にスタートしたい」と冷静に受け止める。

 不足数の1割超、最大7千人の受け入れ見込み数が示されたのはビルクリーニング業。だが、全国ビルメンテナンス協会の関係者は「そんなに確保できるのか分からない」と不安をのぞかせる。業界は技能実習制度の対象になっているが、新たな技能資格試験が免除される「3年間の実習修了者」は、19年度で500人にとどまるのが現状だ。

 九州にある介護業界の技能実習生監理団体の幹部は「介護は昨年、技能実習が始まったばかり。新試験免除の対象者もいない中で、初年度の5千人を達成できるか疑問だ」と話す。

 製造業界の団体幹部は「受け入れ見込み数は要望通り」と満足しつつも「既に外国人材は業界を超えて奪い合いだ。実際に人材を獲得できるかは、ふたを開けてみないと分からない。数字の議論はあまり意味がない」と気を引き締める。

 その上で、新制度の「特定技能」と、実習制度の違いを把握していない会員企業も少なくないといい「早く制度の中身を固めて周知徹底しないと、来春にスタートできたとしても混乱が起きる」と懸念した。

=2018/11/15付 西日本新聞朝刊=

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