外国人受け入れ、都市偏在解消に疑問 法務省 雇用の自粛要請方針

 外国人労働者の受け入れを拡大する新制度を巡り、衆院法務委員会は23日、閉会中審査を実施した。法務省は最大の課題である都市圏への外国人の集中を防止するため、受け入れ自粛要請などの対応策を示した。新制度開始まで残り2カ月余り。外国人への行政サービスを担う地方自治体に対し、来月上旬から全国で説明会を開催することも明らかにした。ただ126項目の「総合的対応策」には、開始時期や財政措置が曖昧な施策も多く、この日の審議でも具体的な運用は示されなかった。24日は参院法務委で閉会中審査がある。

 都市圏偏在をどう解消するのか-。地方ごとに受け入れ枠を決めることに関し、山下貴司法相は「適切にできるのか懸念がある」と否定的な考えを示した。

 具体策を問われた佐々木聖子入国管理局長は「看過しがたい偏在があれば、大都市圏での受け入れ自粛要請や、大企業による人材引き抜きの自粛要請も期待できる」と踏み込んだ。

 だが、働いて稼ぐことが目的の外国人を地方につなぎ留めることは容易ではない。地方からの流出を止めるために、人手不足に悩む都市圏の企業が自粛要請を受け入れる保証もない。

 地方自治体の不安は解消されていない。山下氏はその対応策として、福岡など地方の出入国在留管理局に、受け入れに向けた環境整備や省庁間の調整を担う担当官を配置することを明らかにした。

 外国人との共生を目指す総合的対応策に関する質問も相次いだ。

 立憲民主党の逢坂誠二氏は計126項目に上る施策のうち自治体が担う割合と、総額211億円の予算のうち自治体が負担する額を尋ねた。山下氏は「積算はしていない。それぞれ個別の政策について、地方自治体としっかり協議をしながら実現に努めていきたい」と強調した。

 法務省は全国100カ所に一元的な相談窓口を設置するため、多言語対応の実績がある地方自治体に交付金を支給する方針。

 逢坂氏は「国はただお金だけを用意すれば、あとは自動的に自治体がやってくれると思っている。完全に考え違いだ」と政府の姿勢を批判した。

=2019/01/24付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]