留学詐欺?ベトナム人70人被害か 学納金100万円納めた後、連絡とれず 東京の日本語学校

偽造されたとみられる「在留資格認定証明書」の画像(写真の一部を加工しています)
偽造されたとみられる「在留資格認定証明書」の画像(写真の一部を加工しています)
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 日本語学校をかたる東京都内の会社が、日本への留学を希望するベトナム人から1人当たり約100万円の学納金を送金させた後、連絡が取れなくなっていることが23日、関係者への取材で分かった。被害者は70人近くに上るとの情報もある。一般財団法人・日本語教育振興協会(日振協)は「詐欺の可能性が高い」とみて法務省に通報するとともに、事実確認を進めている。

 問題の会社は「株式会社杉並外国語学院」。登記簿によると2014年に設立され、代表者は名前から中国系とみられる。本社は東京都杉並区にあるマンション2階の一室で、外壁に学院の看板が掲げられているほか、2階の五つの部屋には「教室」「図書室」などと表示されている。ただ、1階に入居する飲食店員は「4年前に突如看板が設置されたが、人の出入りは一度も見たことがない」と話しており、運営実態はなかったとみられる。

 複数の日本語学校の関係者によると、留学生を送り出すベトナム側の仲介業者に今年2月下旬以降、学院側から留学ビザ申請に必要な「在留資格認定証明書」の画像がメールで送られてきた。仲介業者は、学納金の支払期限である3月8日までに現金を送ったが、渡航予定の4月が迫っても証明書の原本が届かず、連絡が取れない状態が続いているという。

 西日本新聞は仲介業者に届いた認定証明書の画像を入手。書式は本物と全く同じで、在留資格は「留学」、通学先は「杉並外国語学院」と記されていた。しかし学院は法務省が留学生受け入れを認める「告示校」ではないため、そもそも認定証明書の申請ができず、画像は偽造とみられる。

 また学院のホームページにある写真や文章の大半が、別の学校や企業のページから盗用したものだった。問い合わせ先の電話番号とメールアドレスにも連絡したが、いずれもつながらなかった。

 法務省入国管理局入国在留課は「(学院は)告示校ではなく、留学生受け入れはできない。もし事実であれば刑事事件になるが、うちが介入できる話ではない」。日振協の高山泰専務理事は「ベトナムとの関係悪化や被害の拡大を防ぐため、まずは注意喚起が必要だ」と話している。

 【ワードBOX】日本語学校への留学

 法務省の基準を満たして留学生を受け入れることができる日本語学校は、官報に告示されている。「告示校」と呼ばれ、3月現在で全国に749校ある。海外の留学仲介業者と提携し、留学生に代わって入国管理局に「留学」の在留資格認定証明書を申請できる。留学には学費や寮費などに計100万円程度の費用がかかり、仲介業者が日本語学校に事前送金する。関係者によると、不払いや契約不履行を防ぐため、仲介業者からの入金確認後に認定証明書の原本を送るのが「業界の慣習」となっている。

=2019/03/24付 西日本新聞朝刊=

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