画像切り貼り「偽サイト」で信用演出 留学詐欺疑惑会社 所在地はマンション 実態なし

「杉並外国語学院」のホームページ(写真の一部を加工しています)
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偽造されたとみられる「在留資格認定証明書」の画像(写真の一部を加工しています)
偽造されたとみられる「在留資格認定証明書」の画像(写真の一部を加工しています)
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 日本への留学を希望するベトナム人から学納金をだまし取った疑惑が浮上した都内の「株式会社杉並外国語学院」。学院のホームページ(HP)の内容を調べると、インターネット上から無断盗用した画像や文章で作られた偽サイトであることが分かった。「だまされた留学仲介業者は10社以上」との情報もあり、被害拡大が懸念される。

 学院が偽造したとみられる「在留資格認定証明書」の画像は本物と同じ書式で、プロの仲介業者にも見分けが付かない精巧さ。画像を信じて仲介業者は学納金を送金し、証明書の原本が届き次第、日本大使館にビザを申請する予定だった。

 海外の仲介業者が日本語学校の信頼性を確かめる場合、主な手段はインターネットだ。学院HPには「充実した施設」とのうたい文句で、机が整然と並ぶ広い教室の画像に「耐震性のある自己所有の校舎」「24時間休日も使える自習室、PCルーム」「学生ラウンジ、駐輪場完備」との説明も添えられている。

 だが、学院の所在地とされる杉並区のマンションを訪ねると、HPのうそは一目瞭然。建物は古く、自己所有の校舎も24時間対応の部屋もない。2階フロアの扉にワープロ文字で「教職員室」「第一教室」「図書室」と記した紙がテープで貼られているだけだった。

 呼び鈴を鳴らしても応答はなく、学生や教職員の姿もない。1階に入居する飲食店員は「中国人がフロアを買い取り、1室だけ中国人に貸しているとは聞いたが開校された実態はない」と証言する。2年前から2階に住む中国籍の女性は「人の出入りは一度も見たことがない」と言う。

 この学院HPに使われている広い教室は一体どこの写真なのか。画像検索すると、ネット上に広く出回っている画像と一致した。さらに校長や教職員として掲載された顔写真や「学生寮」「アルバイト先」とされた画像は、確認できただけで日本語学校や専門学校計8校、不動産会社や求人会社計10社のHPから盗用されたものだった。

 文章も、都内の有名私立高や九州の私大など7校のHPからコピーしていることを確認。寄せ集めの画像と、日本人が読めば怪しいと気付く不自然な文章ではあるが、福岡の日本語学校関係者は「学院HPは一見まともに見える。日本語が多く、外国人がうそを見抜くのは難しい」とみる。

 この問題では、留学生を送り出す側が情報収集をネットに頼っている危うさも浮かび上がった。日本語教育振興協会の高山泰専務理事は「少なくとも『告示校』かどうか、手軽に検索できる公的な情報提供の仕組みを構築すべきだ」と提案している。

=2019/03/25付 西日本新聞朝刊=

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