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今天中国~中国のいま(28) パネリストの正体は

携帯電話会社のショップでは実名登録の呼び掛けを目にする=北京
携帯電話会社のショップでは実名登録の呼び掛けを目にする=北京
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 ある日突然、携帯電話が不通になった。昨年11月末のことだ。

 慌てて電話会社に問い合わせると「あなたは実名登録の手続きをしていない」。記者の携帯は会社名で契約しており、従来は問題なかったが、当局の指示で実際の使用者名を登録するよう運用を改めたという。

 理由は犯罪への悪用を防ぐため。急速に普及したスマートフォンを使った詐欺事件が近年多発し、当局は対策に躍起になっている。

 昨年8月、習近平国家主席の母校である名門・清華大の教授が、司法当局者を語る何者かの電話をきっかけに1760万元(約2億8千万円)をだまし取られ、話題になった。昨年だけで詐欺に関わった疑いのある携帯電話番号70万件を使用停止にしたという。

 改革・開放以来、「もうけることは素晴らしい」式の思考が広がり、商魂たくましい人々によって社会に活気が生まれた。一方で不法に稼ごうという人間も絶えない。「中国の人口は日本の10倍。悪いやつも10倍いますよ」と知人は笑う。

 大胆不敵な「偽者」もいる。中国メディアによると、上海自由貿易試験区の事務局幹部を名乗る男が昨年夏、逮捕された。この男、地元新聞社などが主催する大型経済フォーラムにパネリストとして参加。著名な経済学者らと「指導者の口調」で堂々と議論し、ニュースにも取り上げられた。主催者は面目丸つぶれだ。

 金融政策の知識はインターネットで事前に猛勉強したらしい。さりげなく、自分が関係する投資会社のPRをしたのだとか。その努力と強心臓をまっとうに生かせば、もっと成功しそうだが。 (北京・相本康一)

 =随時掲載

=2017/04/21付 西日本新聞朝刊=

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