小選挙区 民主不戦敗 さまよう「労組票」 「関心ある」のに投票先未定

 最大野党の民主党が候補者を擁立できず、「自共対決」となっている衆院選福岡6、7区。とりわけ総資本対総労働と呼ばれた三池争議の舞台となった大牟田市がある7区は労組票が多い地域だが、労働者層を基盤とする民主は今回、比例で訴えるだけ。このため小選挙区での投票先を決めかねている支持者は多い。「投票しないと変わるものも変わらないが、どちらを選べばいいのか」。世論調査では選挙への関心は高いだけに、有権者の悩みがうかがえる。

 「大義のない解散。本当にいいのでしょうか」。公示前の1日、筑後市のJR羽犬塚駅で通勤者に支持を訴えるチラシを配る民主参院議員、野田国義氏の姿があった。「自分がお世話になっている選挙区。少しでも支持を訴えないと」。通勤ラッシュの時間帯が終わると、急ぎ足で別の選挙区の応援に向かった。

 前回(2012年)の衆院選7区で落選した野田氏は、13年の参院選で当選。ただ、7区の後継者は決まっておらず、突然の解散を受けて候補者を探したが擁立できなかった。

 小選挙区の立候補者がいれば、街宣車で地域を回って党の施策を訴えることができる。だが、比例用の街宣車は九州を広く回る上、数に限りがあるため、7区での運用が難しいという。電話での投票呼び掛けや法定ビラの配布など地道な活動を続けるしかない。

 また、衆院選後への影響を心配する関係者もいる。「選挙で候補者を出すことは組織の意思を固める上で大切。不戦敗は組織の弱体化につながるし、来春の統一地方選にも影響しかねない」とこぼした。

 自民前職の藤丸敏氏、共産新人の江口学氏が戦う小選挙区。民主を支持する連合福岡南筑後地域協議会は、投票先については各労組に判断をゆだねると申し合わせている。西日本新聞社が実施した世論調査では、衆院選に「大いに関心がある」「ある程度関心がある」と答えた民主支持者が9割を超える。だが、半数は「投票先が分からない」などとしている。

 ある有権者は言う。「棄権するつもりはないけど、自分の意思を託す候補者がいないのはジレンマ。最後まで悩みそうです」

=2014/12/08付 西日本新聞朝刊=

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