「短期決戦の構図」 鹿児島3区 因縁対決、新たな局面

写真を見る
写真を見る

 かつては自民の「コスタリカ方式」で選挙区と比例の議席を分け合いながら、2005年の郵政選挙でたもとを分かった宮路和明と故松下忠洋の因縁を引きずる鹿児島3区。衆院解散の前日に宮路は引退表明し、次男の拓馬を電撃的に後継指名。因縁対決は、新たな局面に移っている。

 「相手は東京から来たスポーツカー。小回りのきく軽トラとどちらが地域に必要かを問う選挙だ」。無所属前職の野間健は訴える。12年9月に松下の急死を受け、後を継いだ野間。郵政民営化に反対する国民新党の公認を受け同年10月の補選では宮路に5千票差で敗れたが、2カ月後の前回選挙で6千票差で雪辱した。

 13年3月の党の解党を受け、無所属で活動。この2年間で82回の国政報告会を重ね、知名度向上と松下から引き継いだ後援会組織の強化に努めてきた。

 陣営は高齢の宮路なら組みやすいとみていたが、34歳の拓馬との戦いに。「前回訴えた世代交代や若さをアピールできないのは痛い」と陣営幹部。固い結束で「松下党」と呼ばれた支持層を固めつつ、連合鹿児島の推薦を受け反自民票の掘り起こしを図る。

 懸念材料は郵政団体の自民回帰だ。3区の「郵政票」は七、八千票とされる。ただ、ある郵政関係者は「郵政民営化反対の約束をほごにした宮路は許せない。前面には出ないが、野間を支援する」と言い切る。

 「3区は落としてはならない選挙区」。自民党県連会長の森山裕は県連を挙げて新人の拓馬を支援する姿勢を強調する。自民に風が吹いた前回ですら選挙区を取りこぼした宮路の差し替えは、県連も望むところだった。後援会も世襲は織り込み済み。若手総務省官僚という拓馬の経歴を「フレッシュで手あかがついておらず、おやじより戦いやすい」(後援会幹部)と前向きにとらえる。拓馬は「世襲批判は正面から受け止める。その上で自分という人間を見て判断してほしい」と語り、自民の友好団体や選挙区内の首長へのあいさつ回りに余念がない。

 共産新人の山口陽規(はるき)は選挙区の薩摩川内市にある九電川内原発の再稼働阻止を訴えの中心に据える。「原発再稼働など、暴走する安倍政権に対峙(たいじ)できるのは共産党だけ」と自共対決をアピールする。 =敬称略

=2014/11/28付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]