性暴力の実相・第3部(5)セクハラ「職」「心」失う

読者から届いたメールやファクス
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 「私も被害を受けています」「これが今の実態です」-。連載「性暴力の実相」第3部では、読者からメールやファクスでさまざまな声が寄せられた。立場の弱さから我慢を強いられる悔しさや、組織の対応への疑問などがつづられており、セクハラ被害の深刻さをうかがわせた。

 「相手と笑顔で話すことしかできない自分、強く言えない自分が嫌になる。この連載で一人でも多く気付いてください。私たちはつらいんです」

 20歳も年が離れた上司から、飲み会の帰りにいきなりキスをされたという女性からのメール。信頼していただけに「ショックでこのメールでも泣きそう」と記した。職場の雰囲気を悪くしないよう、誰にも相談できず、必死に笑顔をつくって耐えているという。

 「たかがキスではありません。上司にはすごく気を使っているんです。いつも笑顔だからって、何でもしていいなんて思わないでください」

 3年半にわたりセクハラを受け続けたという元大学職員の女性からもメールが届いた。加害者は大学から懲戒処分を受け、表向きには解決したように見えるが、女性は「違う」と訴える。「いまだに大学ではセクハラへの注意や研修はあっていない。加害者は出勤停止中で私は退職したので、丸く収まったと思われているのでしょう」

 セクハラを大学側に訴えないよう圧力をかけたり、見て見ぬふりをしたりする同僚たちにも苦しめられたという。心身を病み、10年近く勤めた職場を辞めざるを得なかった無念さがにじんでいた。

 男性従業員から尻を触られたり、手を握られたりしたという飲食店勤務の20代女性。上司に注意してもらうと、男性従業員は「コミュニケーションのつもりだった」と弁解したという。「男性の感覚は私には理解できない」。40代の男性からは「日本の企業組織なら(セクハラは)当たり前だよなと思った」という意見も寄せられた。

 「通院費や薬代などの金銭的損害を被らないといけないことにも怒りを感じる」と記したのは、セクハラ被害で精神的ダメージを受けた福岡県の公務員女性。

 大分県日田市の女性は「大学生の就活が厳しいなか、せっかく得た職場をセクハラで去らねばならないとは、なんとつらいことか」と連載の感想を書き、こうつづった。「就活間近の娘がいます。この記事を参考に、何の後ろ盾もなくスキルもない平凡な娘であっても、人が人として扱われない時にはきちんと反論するよう励まそうと思います」 =おわり

◆6割強が泣き寝入り 労働政策研究・研修機構が昨年9、10月に企業6500社にアンケートを送るなどして行った調査によると、職場でセクハラを経験したことがある女性は28.7%。このうちの63.4%が「我慢し、特に何もしなかった」と泣き寝入りしていた。「加害者に抗議した」は10.2%、「上司に相談した」が10.4%。「抗議」「相談」した人の割合は、正社員、契約社員に比べ、パートタイマーや派遣労働者の方が低かった。

=2016/03/20付 西日本新聞朝刊=

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