夢の「桜」夫婦でトライ リオ五輪ラグビー日本代表候補 フィジー出身の副島選手=佐賀市

佐賀市の彩さん(右)の実家で、ラグビーボールを手にする作業着姿の副島亀里選手
佐賀市の彩さん(右)の実家で、ラグビーボールを手にする作業着姿の副島亀里選手
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 道路工事の仕事に励みながら実業団ではなく福岡県のクラブチームに所属し、今夏のリオデジャネイロ五輪7人制ラグビーの日本代表最終候補に残っている異色のラガーマンがいる。佐賀市の副島亀里(かめり)ララボウラティアナラ選手(32)。母国フィジーを離れて活躍する彼を支えたのは、家族の存在。3月18日には第4子となる息子も生まれ、リオ五輪と日本代表のサクラのジャージーから「里桜(りお)」と名付けた。家族とともに夢の舞台を目指す。

 亀里選手は2007年、フィジーの病院で青年海外協力隊の理学療法士として働いていた佐賀市の副島彩さん(36)と出会った。09年に結婚して来日。母国でもクラブチームでプレーしていた亀里選手は「日本のトップを目指したい」と実業団チームに挑戦したが、限られた外国人枠の壁は高かった。

 苦境を支えてくれたのは彩さんだった。日本語に不慣れな亀里選手に代わって情報収集し、現在所属している「玄海タンガロア」を探し出した。仕事先として佐賀市大和町の道路工事業「シライシ舗道」を見つけ、働きながらラグビーを続ける道を敷いてくれた。

 13年には日本国籍を取得。佐賀県チームで初出場した東京国体は5位となった。だが玄海タンガロアでは思うような成績を残せず、フラストレーションがたまった。当時、2男1女の子宝に恵まれ「子どものためにも仕事に専念した方がいいかも」とラグビーとの決別が頭をかすめた。

 そんなときも彩さんに活を入れられた。「何のために国籍を取得したと。サクラのユニホームをあきらめると」。迷いは消えた。14年の長崎国体では県勢初優勝。決勝でトライを決めて最優秀選手に輝き、日本代表候補へとつながった。

 昨年は日本代表でワールドシリーズのドバイ、ニュージーランド大会に出場。五輪を控えて1月からは会社を休職し、ラグビーに専念する。生活費などは有志の寄付が支え、亀里選手は「ラグビーを続けられるのは理解がある会社や家族のおかげ」と感謝する。

 身長190センチ、体重92キロ。恵まれた体格で走り、タックルする。日本代表選手は7月にも最終決定する。「五輪の舞台で妻と子どもたちに最高のプレーを見せたい」と誓う。


=2016/04/03付 西日本新聞朝刊=

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