中高年のためのスマホ夜景撮影術 本紙元写真部長に聞きました

スマホのレンズに下敷きフィルターを密着させると光が十文字に=福岡市博多区のJR博多駅前
スマホのレンズに下敷きフィルターを密着させると光が十文字に=福岡市博多区のJR博多駅前
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下敷きフィルターをレンズから少し離して夜景の反射も写し込む=福岡市中央区天神の街頭
下敷きフィルターをレンズから少し離して夜景の反射も写し込む=福岡市中央区天神の街頭
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即席の下敷きフィルターでスマホの夜景撮りをする野田英一さん
即席の下敷きフィルターでスマホの夜景撮りをする野田英一さん
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 街のあちこちにイルミネーションが輝いて夜景の撮影には絶好の季節です。最近使い始めたスマートフォンで孫にすてきな写真を送りたいと思いますが、難しい機能は使いこなせません。いい方法はありますか?

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。近頃のスマホには写真関連アプリが数多くあり、いろんな方法で写真を加工することもできるようですが、今回は「そんな機能、使いこなせない」という中高年の皆さんに夜景撮影術を紹介します。

 指南役は「英ちゃん」こと、野田英一さん(62)。西日本新聞社の写真部長を務めた敏腕カメラマンです。ご自身が普段使っているのはガラケー(従来型携帯電話)で「スマホはさっぱり分からんよ」と渋りましたが、そこは腰の軽さが身上。奥さんのスマホを1日借りて「いっちょやりますか」と街に出ました。

 まずは福岡市のJR博多駅前。「電源入れるのはどこかいな」と頼りないことを言いながら、取り出したのは100円ショップで買った透明の下敷き1枚と、サンドペーパー(紙やすり)の3枚入りセット。これで電飾の光を十文字にして写す「クロスフィルター」を作ると言うのです。

 本格的な一眼レフカメラには、ガラスに十字の筋が入った専用品があり、レンズに装着して使いますが、スマホの小さなレンズには筋の間隔が大き過ぎて向きません。そこで英ちゃん、下敷きにサンドペーパーでさっ、さっと軽く縦横に1回ずつ傷を入れます。ペーパーの目の粗さも、粗い方から60番、120番、240番と3種類を試してみることにし、下敷きのあちこちに即席フィルターが出来上がりました。

 これをスマホのレンズの前に重ねると、光がくっきり十文字に。「おっ、いけるねえ」。筋が最も細い240番が具合が良いようです。ただ、下敷きをスマホに当てながらの撮影は慣れるまで一苦労。英ちゃんは事前に「光量が少ない夜景を撮るときは、手ぶれがしないように脇を締め、なるべく柱や木に寄りかかって」などと言っとりましたが、知らず知らずのうちに脇は広がりますな。

 さて、場所を変えて天神の街角へ。モデルを入れて撮ろうということになり、写真部のアルバイト、小松美智さん(22)に連絡。大学4年生の小松さんは有名企業への就職も決まり笑顔ばっちり。英ちゃんも気合ばっちり。今度は下敷きに鼻の頭の脂を塗ってぼかし効果を出すソフトフォーカスのフィルターや、レンズから下敷きを10~20センチほど遠ざけて反射光を入れる撮影法を試します。結果はご覧の通り。幻想的なショットが撮れました。

 ここで英ちゃんから、イルミネーションの前で人物を撮る際のアドバイス。「光源が強いとその分、人物は暗く写りがち。なるべく周辺も明るい場所を探してみてください」

 また、今回はすぐできるフィルターを使いましたが、あらかじめ針で極細の線を入れたり、スマホに装着できるものを手作りしたりするとさらに良いでしょう。写真の道は工夫あるのみです。

 英ちゃん、お助けいただき、ありがとうございました。


=2017/11/29付 西日本新聞朝刊=

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