体のため、日本酒なら1日1合に つまみは食物繊維→タンパク質

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お酒を飲む前に牛乳、ヨーグルト、チーズなどを
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森園周祐さん
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 気付けば師走。年末年始は忘年会や新年会で、毎年お酒を飲み過ぎてしまいます。体に負担をかけない飲み方や、おつまみはありますか。

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。お酒と体の関係について、済生会福岡総合病院(福岡市)の肝臓内科主任部長、森園周祐さん(49)に話を聞きました。

 お酒の強さは、生まれ持った体質で決まるそうです。公益社団法人アルコール健康医学協会によると、日本人の約46%はアルコールを分解する酵素の働きが弱いか欠けているとのこと。一方、強いという自覚がある人は「自分はたくさん飲んでも平気」と思いがちですが、森園さんは「肝がんやアルコール依存などで来院する人の大多数は、お酒に強い人」と警鐘を鳴らします。

 健康のために何より大切なのは飲む量の調整。健康な男性の目安は1日平均、純アルコールで20グラム程度。日本酒でいうと1合です=イラスト。女性は男性より体が小さいとして、さらに少量を目安にしています。

 人によって異なりますが、それだけの量を代謝するために3~4時間かかるといわれています。日本酒2合の場合は6~7時間で、数時間寝ても体内にはアルコールが残っている計算なので、車の運転はできません。

 毎日日本酒を5合以上飲む人は医学用語で「大酒家」と呼ばれ、依存の疑いが強いとされています。森園さんは「こうした人は遅かれ早かれ、いずれ確実に肝臓の疾患にかかる」と言います。毎日3合以上飲む人も、依存症の予備軍という自覚が必要です。

 肝臓は「沈黙の臓器」。おなかに水がたまる腹水や吐血、白目が黄色くなる黄疸(おうだん)など、症状が現れたときには末期状態ということが少なくないそうです。週に数日は休肝日を設け、定期的に健康診断を受けましょう。手遅れになる前に自分の生活を見直し、予防することが大切です。

 中村学園大(福岡市)の栄養科学部教授で管理栄養士の大部(おおべ)正代さん(70)には、お酒を飲むときにお薦めの食べ物や料理を聞きました。

 飲む前に胃に入れると効果的なのは、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどのタンパク質。アルコールの吸収が穏やかになり、胃の粘膜の保護にもなります。

 アルコールは高カロリー。500ミリリットルのビールで約200キロカロリーあり、料理は「ヘルシーなものを腹八分目」がよいそうです。

 居酒屋などで出る突き出しは、野菜や海藻、キノコを使った料理が多い気がしませんか? こうした食物繊維が多い食材をまず食べておなかを膨らませ、次にタンパク質を取りましょう。

 刺し身の盛り合わせ、だし巻き卵などがお薦めです。納豆や豆腐の原料、大豆にはビタミンB群が多く含まれ、生活習慣病の予防にも効果的です。牛や豚などの肉は網焼き、グリル焼き、蒸し料理など、脂が落ちた状態でいただきましょう。

 鶏や魚の鍋料理は食材のバランスが良く、飲酒で不足しがちな水分も取れます。

 お酒のおつまみは塩気のあるものが多く、塩分を過剰に摂取してしまいがち。しょうゆの代わりにポン酢をかけたり、ユズやカボスなどかんきつ系の果物を搾ったりすることで抑えられますよ。

 お助けいただきありがとうございました。

=2018/12/05付 西日本新聞朝刊=

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