「目が疲れやすい…」40歳前後から症状 老眼鏡を作る注意点

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 ●老眼鏡の基準は

 40代後半になり、新聞やスマートフォンなどの小さい字が見えづらくなりました。老眼鏡を作ろうと思いますが、作るタイミングや注意点などを教えてください。

 ●「どこを見たいか」

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。

 福田眼科病院(福岡市早良区)の福田量(はかる)理事長(87)に聞きました。

 老眼は、医学用語では「老視」といい、誰にでも訪れる老化現象の一つ。40歳前後から始まり「本やスマホを見るときに目が疲れやすい」「商品の説明書など、小さな文字が見えづらい」などの症状が現れます。新聞などを、今まで読んでいた距離から少し離すことで見えたら、老眼と考えられます。見えない物を無理して見ようとすると目に負担がかかり、頭痛や肩凝りなどの症状が現れる場合もあります。

 目には、カメラのレンズの役割を担う「水晶体」という組織があり、これを「毛様体筋」という筋肉が支えています。近くの物を見るときは、毛様体筋が緊張して水晶体が膨らみ、遠くを見るときは毛様体筋が緩んで水晶体が薄くなります=図1

 加齢によって水晶体の弾力性は衰え、硬くなります。そうすると、近くを見る場合、水晶体を膨らませるために毛様体筋により大きな力が必要になります。毛様体筋も加齢とともに収縮力が低下するので、結果的に近くの物が見えづらくなるのです。

 老眼の検査について、同病院の視能訓練士、長井望美さん(37)に聞きました。老眼かどうかは「近距離視力表」を使って検査します。眼鏡やコンタクトレンズで視力を矯正した状態で30センチ離し、視力が0・3未満であれば、老眼の可能性があります。

 老眼鏡を作る際は「どの距離の、何を見たいか」を明確にすることが大切です。見たい物が「近距離でサイズが小さい」ほど、度数が強くなります。

 老眼鏡には近距離専用のものもありますが、一つのレンズで異なる距離の物を見られる「多焦点レンズ」もあります。これは、眼鏡の掛け外しが不要で便利です。境目が目立たないものも増えています。多焦点レンズは(1)パソコンやスマホ、書類などデスクワークに適した「近近両用」(2)手元の書類や壁に掛かったカレンダーなど室内向けの「中近両用」(3)車の運転でも使える「遠近両用」-に分類できます=図2

 最近は老眼のためのコンタクトレンズも販売されています。眼鏡タイプのルーペ(拡大鏡)も人気ですが「あくまで見えづらいときの助けとなるもの。まずは自分に合った度数の老眼鏡を作ってください」と長井さん。

 高齢化により、老眼との付き合いも長くなっています。福田理事長は「老眼の特効薬はない」とした上で「近くを長時間見続けることが良くありません」と指摘します。毛様体筋が緊張した状態が続くことで凝り固まり、ピント調節がうまくできなくなります。「読書やパソコンなど手元での作業を1時間したら、遠くを見るなど10分程度目を休めて。目を疲れさせないことが何より大事です」

 老眼は65歳ごろまで進行するといわれています。2~3年に1度は検査し、進行していれば作り替えましょう。「緑内障など老眼以外の病気の発見につながることもあるので、定期的に眼科を受診してください」

 お助けいただき、ありがとうございました。

=2019/01/30付 西日本新聞朝刊=

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