慈恵病院が子ども食堂 赤ちゃんポストの経験生かし 熊本で初、4月にも

子ども食堂を今春にも開設する熊本市の慈恵病院=18日午後
子ども食堂を今春にも開設する熊本市の慈恵病院=18日午後
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 親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を運営する慈恵病院(熊本市西区)が、子ども食堂を4月にも病院内に開設する方針を固めた。熊本県によると県内初で、病院による運営は全国的にも珍しい。妊娠、出産に悩む人からの相談を積極的に受けている慈恵病院は、経済的問題を抱える親子に日々向き合ってきた。その経験から生まれた試みで、病院側は「数十年と長く続く活動にしたい」としている。

 計画では、病院内の社員食堂を使い「エンゼル子ども食堂」(仮称)として週1回開設する。経済的理由で食事を満足にできなかったり、親が働いていて1人で食事をしていたりする高校生以下を対象に、原則無料で提供する。メニューは、病院の調理師や栄養士が栄養バランスも配慮して考案する。

 地域のボランティアにも協力してもらい、将来的には学習支援や体操服など用具の提供も検討。食堂を子どもたちの「居場所にしたい」という。開設に向け、行政と相談しながら、学校や社会福祉協議会から地域の実情を聞き取りし、具体的な在り方を決める方針。

 「ゆりかご」は2007年5月に開設し、14年度までに112人の乳幼児が預けられた。親が特定できた人への聞き取りでは「生活困窮」を挙げる人も多い。「妊娠しているが、家賃が払えずにホームレス状態になった」「経済的な理由で養えず、特別養子縁組をしたい」など貧困に絡む相談も絶えないという。

 新たな支援策を模索する中で、子ども食堂が九州各地で広がる動きを西日本新聞の報道で知り、開設を決断したという。蓮田健産婦人科部長は「病院にとっては食事も“治療”の意味を果たす。全国の病院に広がるのを期待したい」と話している。

=2016/01/19付 西日本新聞朝刊=

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