子ども食堂が九州79ヵ所に 寄付、担い手の裾野広がる

写真を見る
2月に開設された熊本市南区の「こどもキッチン・ブルービー」。月に1度、大勢の子どもが集まり、地震後も続けている
2月に開設された熊本市南区の「こどもキッチン・ブルービー」。月に1度、大勢の子どもが集まり、地震後も続けている
写真を見る

 子どもに無料や低価格で食事を提供する「子ども食堂」の開設が6月末現在、九州で少なくとも79カ所(予定含む)に上ることが西日本新聞の調べで分かった。大半は昨年末以降の開設で、住民や民間団体のほか、行政、病院、企業などが相次ぎ運営に乗り出している。子ども食堂は東京都(人口約1360万人)が先進地で約60カ所あるが、総人口で同規模となる九州(約1295万人)が追い抜いており、急増ぶりが際立つ。

 各県別の開設数は、一部予定も含めて福岡36▽佐賀4▽長崎8▽熊本17▽大分9▽宮崎4▽鹿児島1。

 東京都に事務局を置く「こども食堂ネットワーク」によると、都内の子ども食堂は2012年8月に大田区の青果店が開設した「だんだん こども食堂」が先駆け。15年4月までは10カ所程度しかなかったが、15年夏から一気に増加し、現在は約60カ所に上る。

 一方、九州では昨年秋の時点まで数カ所だったが、同年末から急増した。最も多い福岡県は、福岡地区が15、北九州地区が5、筑後地区が11、筑豊地区が5となっている。

 子ども食堂は、いかに継続させるかが課題だ。北九州市、福岡県大野城市周辺、熊本市では、企業や農家などから食材の提供を受ける「フードバンク」と連携・併設して、複数の子ども食堂で食材を共有する試みが始まっている。西日本新聞社は、子ども食堂やフードバンクなど子どもを支援する団体に運営資金を提供するため、「子ども食堂支援金」を設けている。

 福岡県糸島市で6月から「こども基地」を開設している松雪浩樹さん(36)は「(同県)久留米市の子ども食堂の取り組みを新聞記事で知り、地元にも困っている子どもがいるのではと思って、7人で実行委員会をつくって自分たちでも始めた」と話す。

 食堂への市民の支援も広がっている。長崎市の「夢cafe…ひまわり」は週1回の開設だったが、商店や企業などからの寄付金や食材の提供が増え、今月に入り週5回に増やした。運営者の川井健蔵さん(69)は「1年ほど前までは手弁当で活動して大変だっただけに、うれしい。地域で力を合わせて、取り組みを続けていきたい」と語った。

    ◇      ◇

 ■市民の機運盛り上がる 長崎大の小西祐馬准教授(児童福祉)の話

 市民による子ども支援の機運がこれまでにないほど盛り上がっており、画期的だ。食事の提供をきっかけに、地域が『困っていることがあったら力になる』と発信していることに大きな意味がある。一方で、困窮する家族ほど周囲から孤立し、子ども食堂を利用できていない実態がある。市民だけに任せるのでなく、自治体もしっかり支援し取り組みを広げていくべきだ。

=2016/07/08付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]