西日本新聞電子版 1周年記念プレゼント

子ども食堂を根付かせるには 大阪で週3回開くNPO法人代表の徳丸ゆき子さんに聞く 「親だけの責任」意識変えて

大阪の街で「『助けて!』って言ってもええねんで」と親子に声掛けをしている徳丸ゆき子さん=福岡市
大阪の街で「『助けて!』って言ってもええねんで」と親子に声掛けをしている徳丸ゆき子さん=福岡市
写真を見る

 九州で取り組みが広がる子ども食堂。持続可能で、支援が必要な親子が集える場にするにはどうすればいいのか。自らもシングルマザーで、大阪市で無料の「ごはん会」を週3回開くなど貧困家庭をサポートし、全国的に注目されるNPO法人「大阪子どもの貧困アクショングループ(CPAO)」理事長の徳丸ゆき子さん(46)=大阪市=に聞いた。

 《ネグレクト(育児放棄)や経済的な困窮で子どもたちが命を落とす事件が大阪市で相次いだことを受け、2013年に同団体を設立した》

 必要な支援を知るため、シングルマザー100人に聞き取り調査をした。孤立した「孤育て」をしている親、ご飯を食べていない子どもが多いことが分かり、大阪市生野区の工場跡を借りて、子どもたちと毎週火曜、木曜、土曜にご飯を食べ、勉強をしたり遊んだりする活動を始めた。平日は10~20人、イベント時は30人ほどが集まっている。

 《暇があれば街を歩いて「しんどい親子」を見つけ、ごはん会に誘ったり、相談を受けて行政や民間サービスにつないだりする。NPOのスタッフ7人は全員が無給で、ほかにボランティアが15人ほど。主婦、会社員、福祉施設職員などさまざまだ》

 多様な立場の人が支援に加わることで活動時間を補い合える。ただ、最後は自分一人でもやるという気持ちを持ち続けている。

 今日の食事にも事欠く人がいる一方で、物は余っている。食材などの寄付をしたいと思っている方はたくさんいる。人とつながり、手間を惜しまず再配分すれば、きっと必要な量を行き渡らせられるはずだ。

 持続可能な活動にするため、固定費をかけないことにも留意している。広報はフェイスブック(FB)などをフル活用し、寄付のお礼や活動リポートをFBで発信することで、次の支援にもつながっている。

 《長期的な視野での行政への政策提言にも力を入れ、「上から目線」の支援を戒める》

 私たちの活動はあくまでも対症療法で、ばんそうこうを貼るようなもの。貧困に陥る子を無くすには、国が責任を持って公的資金と人によるサービスを充実させ、子育てを「親だけの責任」とする社会の意識を変える必要がある。

 自己責任という冷酷な言葉のせいで、親がぎりぎりまで我慢して子どもたちにしわ寄せがいっている。支援する側にも問題を1人で抱え込み、組織の中で孤立してしまっている人も少なくない。幼少期に人の温かさを地道に伝えることで、困った時には誰もが「助けて」と声を上げられる環境づくりにつなげたい。

   ◇    ◇

 徳丸ゆき子さんの講演会が12月17日午後2時から、福岡市南区の市男女共同参画推進センター・アミカスで開かれる。若者の貧困や孤立の解消を目指す一般社団法人ストリート・プロジェクト(ストプロ)の6周年記念行事で定員300人(予約先着順)。会費500円。

=2016/11/25付 西日本新聞朝刊=

→電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]