筋萎縮性側索硬化症の原因、抗体で除去 滋賀医科大開発

 全身の筋肉が徐々に動かなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因タンパク質を細胞内から除去する「抗体」を開発したと、滋賀医科大の漆谷真教授(神経内科)のチームが31日、発表した。京都大、慶応大との共同研究で、成果は英科学誌電子版に掲載された。マウスを使った実験で、原因タンパク質の減少を確認しており、ALSの根治療法に道を開く可能性があるという。
 ALSは脳や脊髄の神経細胞内に、構造に異常があるタンパク質「TDP43」が蓄積することが原因とされるが、根本的な治療法は確立されていない。
 開発した抗体は、異常なTDP43のみに結合し、不要なタンパク質を分解するオートファジー(自食作用)などによって自身とともに分解する。通常の抗体の一部のみを培養することで細胞内に入れる大きさにした。
 脳に異常なTDP43が蓄積するようにしたマウスの胎児で、抗体が作られるようにしたところ、TDP43が減少したほか、発育にも異常がなかった。抗体が作られるようにしなかったマウスは蓄積が進行したという。
 ALSは、筋肉を動かし運動をつかさどる神経細胞が障害され、筋肉が痩せて力が入らなくなり、食事や呼吸が困難になる厚生労働省指定の難病。主に中高年以降に発症し、厚労省によると、国内患者数は少なくとも約9500人。

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