山笠ニュース

【連載】彩・勇・華 飾り山笠<中>不況退治の願い込め

2009年07月06日 09:35
襲いかかる酒呑童子と勇猛に闘う坂田金時(上川端通)
襲いかかる酒呑童子と勇猛に闘う坂田金時(上川端通)
 目をむき、今にも襲ってきそうだ。「酒呑童子(しゅてんどうじ)」を題材にした「上川端通」。太い腕を振り上げる身の丈約2メートルの鬼は迫力たっぷりだ。対するは刀を手にした武将坂田金時。口をへの字に結び、勇猛果敢に立ち向かう。

 昨年相次いだ食品偽装や世界的な不況など、信頼が揺らぎ不安が広がる世相を反映した飾り山笠が今年もお目見えしている。人形師の田中比呂志さん(71)は「社会不安を鬼に投影し、立ち向かう武将に、平穏な社会になってほしいという願いを込めた」と語る。

 「信義」の大切さを訴えるのは「博多リバレイン」。南朝の忠臣、菊池武光が登場。現在の小郡市を舞台とした大原合戦から650年の節目を迎える今年、色鮮やかなよろい姿の武光は時を超え、「信」の大切さを現代に問い掛ける。

 退治物には斬新なアイデアのものも。「ソラリア」は、日本各地を平定した倭建命(やまとたけるのみこと)の活躍を、表と見送りで4場面に分けて表現。表の飾りを担当した置鮎正弘さん(78)は「表と見送りで同一テーマの作品を作ることは珍しい。物語の世界を深く知ってもらえる」。見る者を巨大な絵巻物の世界にいざなう。


=2009/07/03付 西日本新聞朝刊=

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