山笠ニュース

【春秋】福岡出張を歓迎する人が例年7月の今ごろは特に多いと聞く…

2009年07月06日 09:35
 福岡出張を歓迎する人が例年7月の今ごろは特に多いと聞く。博多祇園山笠のクライマックスに向けて2週間余かけて街が弾(はじ)けていく。そんな祭りはほかにないらしい

 やってきた人が地元の人に祭りの起源を聞くのはよくあることだ。博多では「13世紀、元寇(げんこう)の数十年前に疫病がはやったとき」と以下のような説明を受ける。臨済宗の僧が施餓鬼棚(せがきだな)に乗って担がせ、清めて回ったのが始まり

 それくらいのことは博多の人はあらかた言える。僧の名は聖一国師(しょういちこくし)。宋で学び、帰国後博多で承天寺(じょうてんじ)を開山した。山笠のフィナーレ「追い山」では、「発祥之地」の碑がある承天寺の前も舁(か)き山が巡る

 この寺には山笠以外にも話が種々伝わる。寺を創建した貿易商の謝国明が、天災地変が続いた年の大みそかに人々を集め、そばをふるまった。翌年は良い年になり、運がついたので運そばと言うようになった…

 「まんじゅうも博多から」と伝えられる。博多の生き字引だった故・帯谷瑛之介さんが語り残した資料から引いている。托(たく)鉢(はつ)をして歩いていた聖一国師が、親切にしてくれた西公園近くの茶屋に酒まんじゅうの製法を教えた。それが日本におけるまんじゅうの始まりとか

 それだけではない。うどんを含めいろいろの発祥の地、とされる石碑が承天寺にある。祭りを見に遠方から来た人には、山笠だけでなく食べ物の話も添えてもてなせば、博多全般への味わいが増す。


=2009/07/05付 西日本新聞朝刊=

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