工藤監督「悔しさぶつける」 最大11.5差から球史に残るV逸

リーグ3連覇を逃し、スタンドのファンに頭を下げる工藤監督(左端)
リーグ3連覇を逃し、スタンドのファンに頭を下げる工藤監督(左端)
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■8日からCSファーストS
 
 球史に残るV逸が決まった。ソフトバンクはロッテに大勝する中、西武戦に勝利した日本ハムに、4年ぶりのパ・リーグ優勝を決められた。最大11・5ゲーム差をつけ、一度は優勝へのマジックを点灯させながら、最後の最後にひっくり返された。屈辱とともにリーグ3連覇は消えたが、3年連続日本一の可能性は残っている。この悔しさを晴らすには、10月8日に本拠地で開幕するクライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜くしかない。

■「選手に油断なかった」

 141試合目。リーグ3連覇への夢は、絶たれた。5点リードの8回。森が2球目を投じる直前に、西武プリンスドームで日本ハムが優勝を決めた。「選手はよくやってくれた。悔しい結果にはなったけど、この悔しさをCSにしっかりぶつけられるようにしたい」。工藤監督は完敗を認め、クライマックスシリーズでのリベンジを誓った。

 球史に残るV逸だ。シーズンを折り返した72試合目、6月30日のロッテ戦に勝利し貯金は29。7月初めの日本ハム3連戦で2勝すれば史上最速のマジックが点灯するという状況で、風向きが変わった。「1番投手大谷」に初回先頭打者初球アーチを浴びるなど、3連敗。リアル二刀流の威力が直撃し、7月は11勝11敗で、就任後初めて月間勝ち越しを逃した。

 昨季90勝の圧勝Vが、皮肉にも無用の焦燥感を生む。8月に入ると最下位オリックスに3連敗。中旬に6連敗を喫した夜、内川を監督室へ呼んだ。主将の立場からチーム立て直しへの意見を聞いた。翌日、宿舎出発前に、内川が選手を集めミーティング。連敗こそ脱出したが、翌日からまた3連敗を喫した。首位を走っているとは思えない焦りが、チーム全体を包んだ。

 「不運」にも、追い打ちをかけられた。併殺コースの相手打球が塁審に当たって安打。8月25日の楽天戦で逆転ランニング3ランを浴び、129日ぶりの首位陥落。「俺は、野球の神様に嫌われているのかな…」とこぼした日もある。9月に入ると今年一番のアーチ量産モードだった柳田が右手薬指を骨折。得点源の離脱に「終戦、終戦」と、冗談とも本気とも分からない言葉を漏らす選手もいた。

 柳田離脱翌日の9月2日に、「M20」を初点灯させたが、2日後に山田が楽天に2回途中KOを食らい、マジックは消滅した。15勝を挙げた和田を連続の中5日で日本ハムとの天王山に向かわせる道中、手術歴のある左肘の変調で登板回避へ。左膝手術明けの高谷は2軍で実戦復帰早々に昇格させ、試合中も足を引きずった。右太もも裏を痛め一時離脱した細川も万全でない。一方、練習日の円陣で口酸っぱく故障防止を呼び掛けた。本心には違いないが、選手にはどこか空々しく響いたのも無理はない。

 ゲーム差なしで迎えた9月21、22日の最後の直接対決は本拠地で連敗。自力Vが消えた。「選手に油断はなかった。悪くなった調子や雰囲気をどうするかを考えたつもりだったけど、調子や気持ちを取り戻せなかった」。試合後、指揮官は選手を集め、力強く言った。「正直、俺は悔しい。だけどこの先CSもある。この悔しさを晴らせるようにしよう」。3年連続日本一への道が残っている限り、昨季の王者としての意地を見せる必要がある。 (倉成孝史)

=2016/09/29付 西日本スポーツ=

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