工藤軍レーダー作戦 投球や打球軌道“立体化” データ蓄積、来季本格運用へ

来季V奪回を目指す工藤監督
来季V奪回を目指す工藤監督
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■弾道測定器「トラックマン」

 福岡ソフトバンクが来季V奪回へ“軍事データ”の本格運用に着手する。軍事レーダー技術を応用した弾道測定器「トラックマン」を今季導入。これまで実際のデータの活用は自軍投手の投球分析にとどまったが、蓄積した1シーズン分のデータをもとに今オフ研究を進める。一例として球速、コース、球種など平面的だった相手投手の資料を、軌道などの特徴を加味し“立体化”することを検討中だ。

■ヤフDに既に設置

 情報戦を“軍事力”で制す。工藤監督が「データをより選手に正確に伝えることが大事」と作戦コーチ新設の狙いを語ったように、指揮官は情報戦略を重視。チーフスコアラーから転身した森作戦コーチやスコアラー陣の働きがより重要となる。今オフは従来の分析による情報を深化。加えて、今季導入された軍事レーダー技術応用の弾道測定器データを活用し、情報の「進化」を目指す構えだ。

 ヤフオクドームではバックネット裏の上部に設置されている「トラックマン」では、投手の球速、球の回転数、回転軸の角度や、打者が打った打球の角度、正確な飛距離などが測定できる。スポーツの分野ではまずゴルフ界を席巻。球界では昨年、米大リーグ全30本拠地が導入済みだ。日本でも昨季途中に導入した楽天を皮切りに、ソフトバンクを含めた多くの球団で導入が進む。もっとも得られたデータの活用法は発展途上で、ノウハウの構築が課題だった。

 導入期だった今季のソフトバンクでは、選手への情報提供は、実情として投手が「rpm」で示される自身のボール回転数を確認するぐらいだった。一方で試合を通じ、自他球団のデータ収集は進行。得られた1シーズン分のデータを今オフに精査し、運用法の確立に入る。来季はいわば「本格運用元年」となる。

■野手用の資料にも

 具体案は投手攻略におけるチャート(配球表)の進化だ。数マスに分割したストライクゾーンに、球種とコースを示す平面の資料。ただ「直球でも投手により浮き上がる軌道や沈む軌道がある」「同じスライダーの呼称でも実態は投手ごとに異なる」など、特徴の把握は別問題だ。従来は対戦経験と映像資料でイメージを作るが、ここに軌跡のデータが示す曲がり幅や、曲がり具合などが加味されることで、数値化された客観的なイメージも作れる。

 打者の打球速度や角度、飛距離データについても研究を進め、結果との関係性を裏付けた上で、野手陣のスイングチェック用の資料として役立てる案もある。IT企業の雄・ソフトバンクのグループとして、情報処理で時代を先駆ける。

=2016/11/22付 西日本スポーツ=

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