ソフトB非常事態で工藤監督が奥の手 22歳内野手・曽根に白羽の矢

マシーンが投げたボールを捕球する曽根(右)。左は樋越
マシーンが投げたボールを捕球する曽根(右)。左は樋越
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 備えあれば…。捕手陣の相次ぐ故障で非常事態に陥った福岡ソフトバンクの工藤公康監督(54)が大胆な一手を打った。高校時代にわずかな捕手経験があるB組の曽根海成内野手(22)に打診。育成から昨年支配下登録され、プロ初出場を果たしたばかりの曽根もチャンスが広がると快諾し早速練習を始めた。高谷、栗原とA組の捕手が次々と離脱しシーズンへの影響が懸念される中、危機回避への備えを進めている。

 夕暮れどきのB組打撃練習場に乾いたミット音が響いた。打撃マシンのボールをつかむ捕球練習。特に変わった練習ではないが、受けていたのは内野手の曽根だった。「今日の朝、やってみないかと言われた。可能性が広がれば、幅も広がるので」。捕手の非常事態を受けて、経験のある曽根に白羽の矢が立った。

 甲斐と正捕手の座を争うベテラン高谷が検査で右肘の関節炎と診断されたことが20日に発表された。同じ日の練習で、第3捕手候補の栗原が左肩を脱臼。不測のアクシデントに、工藤監督は「痛いです。痛くて仕方ないです」とことの重大性を強調していた。

 一夜明けて、指揮官は大胆な策を打った。B組首脳陣を通し、高3時に3カ月の捕手経験があるという曽根に練習を打診。曽根も二つ返事で応じたという。小川2軍監督は「経験もあるしセンスもある。内野手だけど、代走や守備固めに加え捕手ができればオプションも増えて、(1軍出場の)チャンスが広がる」と背中を押した。

 鉄は熱いうちに打てとばかりに、曽根はこの日から通常メニューに加え、スローイング、ワンバウンド捕球、キャッチングと捕手の練習メニューもこなした。「甘くないのは分かっているけど、時間があるときには練習したい」とやる気満々だ。メーカーにはミットを発注。高校時代を振り返り「捕手はゲームをつくれるので、面白くてやりがいがある」と目を輝かせた。

 振り返ると、今キャンプ第1クール中に若手捕手のアピール不足を指摘した達川ヘッドから「おまえ、キャッチャーやらんか? 野手よりチャンスがあるかもしれんぞ」と水を向けられたことがあった。曽根は苦笑いを浮かべただけだったが、状況は一変。「あのときは冗談だったと思うけど…」と事態の重みを悟り、捕手の練習にも真剣に取り組むことになった。

 連続日本一へ向け、唯一のアキレス腱(けん)ともなりかねない今回の捕手危機。工藤監督は長いシーズンを見据え素早く手を打った。小川2軍監督は「ピンチはチャンス。(他に)僕も(捕手を)やりたいという人も問題ない」と曽根以外にも立候補があれば受け入れる構えだ。開幕は3月30日。ピンチを嘆いてばかりはいられない。 (小畑大悟)

 ◆2軍では全て内野 京都国際高では主に遊撃手だった曽根は育成ドラフト3位で2014年にソフトバンク入り。昨年3月に支配下登録され、7月にプロ初を含む2試合に出場、1試合は二塁で先発した。昨年までに2軍戦で守ったのは全て内野で遊撃、二塁、三塁をこなした。

=2018/02/22付 西日本スポーツ=

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