ソフトB武田、球団12年ぶり1安打完封 開幕ローテ最後の白星「ラストチャンスの気持ちで」

お立ち台で工藤監督の誕生日ソングを歌う武田(中央)。左は柳田、右はカズ山本氏
お立ち台で工藤監督の誕生日ソングを歌う武田(中央)。左は柳田、右はカズ山本氏
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武田(右)からウイニングボールを贈られ、うれしそうな工藤監督
武田(右)からウイニングボールを贈られ、うれしそうな工藤監督
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 ◆ソフトバンク3-0オリックス(5日・ヤフオクドーム)

 投球もうまい…歌もうまい? 開幕ローテの5人で唯一勝っていなかった武田翔太投手(25)が、今季初勝利を球団12年ぶりの1安打完封で飾った。低めの球で内野ゴロの山を築き、自身通算5度目で本拠地では初、チームも1投手では今季初の完封勝利を挙げた。お立ち台では55歳になった工藤監督へ贈るハッピーバースデーソングを披露。意外な?美声に、柳田も「うまっ!」と仰天した。

■リズムよく121球

 1安打完封を飾ったヒーローが、本拠地をライブ会場に変えた。「みんなで誕生日ソングを歌えたら」と満員の観客に呼びかけた武田は、ビブラートを効かせて「ハッピーバースデー ディア 監督~♪」と美声を響かせた。囲み取材を中断して、聞き耳を立てていた工藤監督も「うまいですね。『歌が最高だった』と書いといてください」とご満悦。5戦目でつかんだ今季初勝利が、55歳の誕生日を迎えた工藤監督に贈る最高のプレゼントとなった。

 アップテンポの121球が内野ゴロの山を築いた。「全体的に低めに集まったし、リズムよくいけた。全部、内野ゴロを打たせようと思った」。最速151キロの直球とキレのある変化球がハーモニーを奏でた。3回1死から福田に許した右翼線二塁打が唯一の被安打。アウトの半分以上の15個がゴロで、球団では2006年6月8日巨人戦(ヤフードーム)の斉藤和巳以来の1安打完封を飾った。

 初白星へ向けて「1カ所だけ修正した」という。リリースの際の手首の動きを外から内に変え、あえて引っかくイメージにした。前回までは高めに浮いた失投をスタンドまで運ばれ4戦連続被弾。「ミスをしたときのケアが大事。指の掛かりも良くなった。これならミスをしても低めに引っかくので許される」と“脱一発”をタイトルに掲げ快音を奏でさせなかった。

 開幕ローテの中でただ一人未勝利と苦しむ右腕を指揮官も気に掛けた。登板間のブルペンではじっと視線を送り、カーブを多投するよう指示。「曲げるのではなく、曲がるボール。下(下半身)が我慢できていないから」。そう指摘され、武田は思わず「カーブは難しいです」と漏らした。結局、予定の球数を20球程度超えて投げ続けた。

 「開幕して1試合もいい試合がなかった。やっと勝てたとホッとしている。今日がラストチャンスというぐらいの気持ちで、全力で投げた」。大きなピンチこそなかったが、打球が右すねをかすめたり右手親指の指先から出血したりと決して単調なメロディーではなかった。「(指は)気にならないぐらい気合が入っていた」。この試合に懸ける気持ちが勝った。

 内川の2000安打が迫り、工藤監督は誕生日。重圧の中で、こどもの日のスコアボードに刻まれたひらがなの「たけだ」が主役になった。今季から付ける背番号18で初の1勝。「これを続けていかないと」。今季チーム初完投勝利、初完封。ハッピーなリズムに乗せて、ウイニングボールは迷わず工藤監督に渡した。 (小畑大悟)

◆99年には工藤監督も

 武田が1安打完封勝ち。1投手による1安打完封は福岡移転後の球団では(1)井上祐二=90年10月9日(6回降雨コールド)(2)工藤公康=99年6月22日(3)永井智浩=02年8月26日(4)斉藤和巳=06年6月8日(準完全試合)に次ぎ5人目。継投も含めたチームの1安打完封は3月30日の開幕戦(千賀-岩崎-サファテ)に続き今季2度目。

    ◇      ◇

■工藤監督「歌が最高だった」 バースデー4連勝

 5日で55歳になった工藤監督が、就任から4年連続となる「バースデー白星」をプレゼントされた。15年は柳田が延長サヨナラ本塁打、16年は松田が先制V弾、昨年は9回にデスパイネと上林のアーチで逆転したが、今年も柳田が先制の祝砲。「ナイスゲームでした! それが一番です。勝ったことがね」。今年は打線だけでなく、武田が1安打完封という圧巻の投球まで披露してくれただけに、終始笑顔の誕生日となった。

=2018/05/06付 西日本スポーツ=

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