ソフトB“遅れてきたドラ1”がブルペン危機救う 加治屋、吹っ切れ奮闘中「落ちたら出直せばいい」

4月12日の日本ハム戦に8回1死から3番手で登板し、大田を抑えた加治屋(左)
4月12日の日本ハム戦に8回1死から3番手で登板し、大田を抑えた加治屋(左)
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福岡空港から仙台に向かう加治屋
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 ホークスナインの本音に迫るインタビュー企画「キーマンに聞く」、今回は加治屋蓮投手(26)を直撃した。昨季までの登板が通算4試合だった2014年のドラフト1位右腕は、初の開幕1軍入りを果たした今季は14試合に登板しプロ初ホールドも記録。現在12試合連続無失点中で、防御率0.73と安定した投球を見せている。手術を受け離脱したサファテ、岩崎が不在のブルペンで存在感を示す5年目右腕が成長の要因を明かした。 (聞き手・構成=鎌田真一郎)

 -現在12試合連続で無失点。投げるたびに自信を深めているように見える。

 「4月ほどはうまくいっていないところも出てきています。対戦機会が増えたことで球種とかの情報も入って(相手打者の)反応も違い、今まで振ってくれていたボールも見られることが出てきた。どうしても真っすぐ、フォークが多くなり、低めをケアされて浮いた球を狙われるケースもある。カーブ、スライダーをもっと織り交ぜないといけないと思っています」

 -初めて開幕1軍入りして1カ月半がたった。

 「4月はマウンドに上がるたびに緊張があった。5月はちょっと落ち着いている。最近はランナーを出すことがあるので、もしかしたら、もう少し緊張感があった方がうまくいくのかもしれません」

 -次のステップに進んでいるということか。

 「何となく勢いで抑えるのではなく、今はどうやって抑えるかを考えている。打ち取る配球をしっかりイメージして投げないと厳しい。ランナーがいる場面や試合終盤での登板が増えてきて、1点の重みも感じている。自責点(が自分に付く場面)でなくても抑えないといけないし、逆にランナーをためて降板してモイネロに助けられることもある。何とか僕でイニングを終わらせて、次の回の頭からモイネロ、森が出ていけるようにしたい」

 -自信を持つきっかけとなった試合は。

 「いくつかありますけど、まず3月25日の広島戦(マツダスタジアム)。オープン戦最後の試合で結果的に開幕1軍をつかみ取った。田中、高橋(礼)、古谷と争っているところで自分が投げて抑えられた。あの時はまだ岩崎さんやサファテがいて、自分としては他の投手が悪くて(開幕1軍に)残ったという感覚ではなかったので、少し自信を持てました」

 -開幕後の試合では。

 「シーズンに入ってからは、初めて僅差(2点リード)で投げさせてもらった日本ハム戦(4月12日、ヤフオクドーム)も大きかった。フルカウントになって、外角低めの直球で大田を見逃し三振。結局、1イニングを嘉弥真さん、モイネロと1人ずつ投げることになったけど、初めて自分にホールドが付いた。あの場面で使ってもらえたこともうれしかった」

■2軍でできることが1軍でできないのがずっと課題だった

 -自ら感じる去年までとの違いは。

 「1軍で投げているボールは去年まで(の1軍登板)と違うと思うけど、極端に言えば、ファームで投げていたボールとは変わらないと思う。ファームでできていることが上(1軍)でできないことがずっと課題だった。去年、おととしまでは、どうしても1軍で打たれる怖さと、打たれたら(2軍に)落ちる怖さがあった。だから、マウンドに上がると落ちたくないという気持ちが大きくなっていた。でも、今は打たれてもすぐに落とされることはないだろうと、割り切っていられる。落ちたらまた出直せばいいとも思えるようになっています」

 -精神的な余裕から、内角へも投げ切ることができるようになったのか。

 「今までは内角のサインが出たときに『インコースかあ…』と思うこともあった。バッターではなく、自分との勝負になっていた。でも今は『このタイミングなら次は内角だろうな』とか『内角にこい』と思えるようになって、一球に対する気持ちが違ってきている」

 -プロ初勝利も時間の問題では。

 「もう5年目なので…。ただ、中継ぎをしていて、自分の勝ち星をどうこうしたいというのは特にない。今は任された場面で抑えていくことだけを考えている。とにかく、登板数を増やしていきたい。投げることでしか信頼は得られないし、それを一戦一戦積み上げていきたい」

 -シーズンを通じて1軍で投げ続けるためにもこれからが本当の勝負だ。

 「結局は、今いないメンバーがいるから今の自分のポジションがある。(故障明けで2軍調整中の)五十嵐さんや寺原さんがもうすぐ1軍に戻ってくると思う。経験や実績では勝てないけど、そのときに自分のポジションを取られないようにしないといけない。自分にできるのは勢いのある投球。しばらくすれば岩崎さんも帰ってくると思うし、それまでにどれだけの信頼を得られているか。今はその意識を大事にしています」

=2018/05/15付 西日本スポーツ=

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