真夏の反撃 好調ソフトB牧原に聞く…昇格までの焦燥と絶望「もう駄目かと」

7月24日のロッテ戦で7回1死一塁、牧原が右越えに同点2ランを放ちガッツポーズ
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ソフトバンク・牧原
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 ホークスナインの本音に迫るインタビュー企画「キーマンに聞く」。今回は牧原大成内野手(25)を直撃した。8年目の今季は7月8日に1軍昇格。21試合に出場して10試合で複数安打をマークするなど、打率3割4分9厘のハイアベレージをキープしている。本塁打もプロ初を含む2本を放つなど、成長の跡を見せる背番号36。千賀、甲斐とともに育成ドラフトで2011年に入団したたたき上げが、好調の理由を明かした。 (聞き手・構成=鎌田真一郎)

 -7日のロッテ戦で今季3度目の1試合3安打を記録して4試合連続安打。打撃面の好調さが際立つ。

 「今までで一番いい状態です。打ち方とかは、まだ試している部分があるけど、とにかくボール球と苦手なゾーンに手を出さないこと。打席でも冷静でいられるようになって、これが徹底できている。極端に言えば、手を出さないと決めたゾーンで、ストライクを取られたらしょうがないなと、それぐらい割り切るようにしている。だから、絞った狙い球をしっかり仕留められているし、そこが成長できた部分だと思う」

 -今季で最も納得できたプレーは。

 「プロ初本塁打より、京セラドーム(7月24日のロッテ戦)で打った2本目の本塁打です。ボールを2球見逃してから、内角に入ってくるカットボールにイメージ通りのスイングができた。ただ、ヒットにしようとしている結果がホームランになっただけで、狙ったら大振りになる。そこは気を付けている」

 -日々のプレーでテーマを設けているのか。

 「こんなに結果が出ているのは、自分でも怖いぐらい。でも、今は自分にあまり期待しすぎないようにしている。自分で決めているのは『一日一善』。まだレギュラーだとは思っていない。だから、一つの試合の中で何か一つ、ヒットでもフォアボールでもいい。打てなかったら、走塁や守備でいいプレーをしようと心掛けている。レギュラーなら2、3試合結果が出なくても使われるけど、僕らはそれで終わってしまう可能性がある。まずは、いかに1軍に残り続けられるか。そう考えると、打てなくても、守備、足があれば残れる。その部分をアピールしようと思っている」

 -常に次の塁を狙う姿勢も意識している。

 「僕のセールスポイントは足なので。普通のヒットでも大きくオーバーランして、少しでも中継が乱れたら先に行こうと思っている。外野フライを打ったときでも、相手に『もうそこまで行っていたの』と思わせるようにしたい。どんなプレーも無駄にしたくない。足の速さとは別に、相手に嫌がられるイメージを与えたい。そうすれば、自分が塁に出たときに(次打者への)変化球を減らすことにもなるだろうし、チームのためになる」

 -守備では二塁だけでなく中堅も守った。

 「試合に出たら、いいところだけではなく、見えないミスも出る。当然減らさないといけないけど、試合中は次々とプレーが続いていくので、反省は終わってから。センターで後ろにそらしたプレー(※1)も、自分では捕れると思って勝負をかけた結果。あの打球を捕っていれば褒められている。自分の中では、中途半端なプレーではなかった。ミスを気にし始めるといい方に向かないので、いいプレーをどれだけできるか。そう考えている」

 -昨年は6月に右肩を痛めて実戦から長く離れた。

 「(右肩は)前兆があったわけでもなく、突然だった。半年以上良くならずにキャンプもB組。こんなに長いリハビリ生活は初めてだった。それでも、いつかは(1軍に)呼ばれるだろうという思いもあったが、7月までチャンスがなかった。周りの選手がどんどん(1軍に)上がるのを見て焦ったし、今年はもう駄目かもしれないとも思った。その分、今までを1回リセットして、ゼロからスタートできている。それもいい方に働いている」

 -育成ドラフト同期の千賀、甲斐とともに1軍でプレーしている。

 「僕は出遅れた身なので。これまでは情けない気持ちがあったけど、今は一緒にプレーできているからうれしい。千賀は投手だけど、拓也(甲斐)は守備位置は違っても同じ野手。嫉妬があったのが、正直な思い。2人が活躍しているのを見ると、やらなければいけないなという思いが湧いてきたのは確か」

 -ホークスは育成出身の選手が活躍している。

 「僕は開き直った方がいいタイプ。少し成功すると自信が生まれるけど、自分に期待をかけ過ぎて、できなかったときに落ち込むことがあった。1軍で出られるようになった2015、16年はそういう部分があったけど、今は駄目なら仕方がないという感覚。育成は失うものがない。前進あるのみなんです」

 -今は迷いなくプレーができている。

 「全部の試合が本当に楽しい。ミスはあっても、結果が出ているからだとは思う。(1軍に)上がったときから、何があっても楽しもうと考えていた。2軍でも打撃の調子は良くなかったし、打てなくても仕方がないと思っていたところ、いきなり結果が出た。良かったのは開き直り。その中で打席でも余裕を持っていられる。いろんな状況をプラスに変えながら、欲張らずにプレーしたい」

 ※1 7月27日の楽天戦(ヤフオクドーム)で3年ぶりに中堅でスタメン出場。5回2死一、三塁で、藤田が放ったセンター前へのライナー性の打球に飛びつくも届かず、打球が転々とする間に2人の走者が生還して逆転を許した。試合は5-6で敗れた。

=2018/08/10付 西日本スポーツ=

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