負け知らずのソフトB大竹、急成長の理由 育成4位激動の1年目

明治神宮外苑軟式野球場で工藤監督にアドバイスを受ける大竹(左)
明治神宮外苑軟式野球場で工藤監督にアドバイスを受ける大竹(左)
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踏み台を使いシャドーピッチングする大竹
踏み台を使いシャドーピッチングする大竹
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 ホークスナインの本音に迫るインタビュー企画「キーマンに聞く」。今回は大竹耕太郎投手(23)を直撃した。熊本・済々黌高から早大を経て、育成ドラフト4位で入団したルーキー左腕。7月30日に支配下登録されると、8月1日の西武戦でプロ初登板初先発を初勝利で飾り、ここまで5戦2勝でいまだ負け知らずだ。次回は9月16日の西武戦(メットライフドーム)で先発予定。激動の1年目を駆け抜けるサウスポーが、急成長の理由を語った。 (聞き手・構成=鎌田真一郎)

■驚いた施設の充実ブルペンの映像は横からも上からも

 -優勝争いの中で先発ローテーションを任されている。育成ドラフトで入団した1年目で、この状況を想像していたか。

 「さすがに、ここまでは。目指してはいましたけど、何試合も先発で投げるとは想像していなかった。支配下になるときは、1軍で投げる時だと思っていたし、それにはまず中継ぎだと思っていた」

 -3ゲーム差に迫った首位西武との直接対決でも先発する。

 「プレッシャーがないと言えばうそ。でも『使っている方の責任だ』と、ある意味開き直って臨むようにします。大学1年の(東京六大学リーグで先発に抜てきされた)時も同じような感覚だった。今はそのぐらいのつもり。これも、年数がたてば変わってくることだと思う」

 -2軍(22試合8勝0敗1セーブ)を合わせても、無敗が続いている。

 「本当に運がいい。何ごともうまくいかなかった(右膝の故障などで不振に陥った)大学3、4年、すべての悪を取り返した感覚」

 -その不振から脱却できた要因は。

 「プロに指名されたのはうれしかったけど、その時に1軍で投げるイメージが湧かなかった。このままでは絶対無理だと。だから、何かを変えないといけないと思った。

 それで、(ホークスに入団し)入寮してから施設の充実ぶりに驚いた。これを使わない手はないと。一番ありがたいのは、ブルペンにある映像設備。横からはもちろん、真上からも撮影されて、投げた数秒後に再生される。これまで、投球練習中に自分のフォームを見ることはなかった。映像を見て、自分の感覚との違いにも気付けたし、『できた』と思ったことができていないこともあって、その逆もあった」

 -フォームも大きく変わった。

 「体を開きたくないという意識が強すぎて、体をひねりすぎて骨盤がホーム方向からずれていた。久保(2軍投手)コーチに『やりたいことの逆をやれ!』とアドバイスをもらって、意識的に極端に右肩を開くイメージで投げたら、それがはまった。最初は気持ち悪かったけど、骨盤が真っすぐ進むようになった」

 -今までと感覚も違う。

 「入団前の自分と今の自分は別人だと思う。本当に投げ方が分かっていなかった。大学3、4年で投げ方を考えすぎてもいけないことに気付いていたので、今は漠然としたイメージを大事にしている。

 各部位の使い方ではなく『棒を振り下ろす』イメージ。棒を振るのも、早くトップをつくらないと振れない。投球も一緒。早くトップをつくって狙いを定めて、あとは腕を前に出すだけという感じ」

■コーチの助言で極端に右肩開いてそれがはまった

 -棒を振ったり、踏み台を使ったシャドー投球をしたりする姿は、遠征先でも恒例になっている。

 「精神的にも技術的にもやらないと、気が済まなくなっている。段差さえあれば宿舎の階段とか、ベンチとかでもやることもある。周囲の視線を感じるときもあるけど、それは気にしない。自分がうまくなるためだから。今までの自分なら萎縮したかもしれないけど『育成で入った』ということで、性格や考え方も変わったと思う」

■一球一球の意味理解する重要性実感として分かる

 -1軍で投げている中で新たな発見もある。

 「一球一球の意味を理解することの重要性を感じている。なんでだろうと思っているときは打たれてしまう。この前のロッテ戦(6日、ZOZOマリン)で鈴木さんにホームランされた時もフルカウントから、なぜスライダーか分からないまま投げてしまった。

 意味を分かって投げたときの球の質が違うのも実感としてわかる。自分が投げやすくなるためにも、相手のことを知らないといけない。攻め方のイメージを一致させるために、(捕手の)甲斐さんとも試合前やイニング間にしっかり話し合う。甲斐さんはリードしていても『高さは気を付けよう』とか『コースは間違わないように』と意識させてくれるのでありがたい」

 -今後に向けて決意を。

 「プロに入って心に決めたことが『絶対無理』とは言わないこと。プロ入り前に『おまえは無理だ』とか言われたけど、そんなことはなかった。練習中でも、ネガティブなことは言わないようにしている。今季は、あと3勝。自分に限界をつくらず、悔いないように取り組んでいきます」

   ◇    ◇

■大竹「神宮」に感慨深げ

 大竹は13日、神宮球場室内練習場で行われた投手練習に参加。早大時代にも「何度か来たことがある」という勝手知ったる場所で、キャッチボールやダッシュなどで16日の西武戦に向けて調整した。室内練習場の近くにあるイチョウの木から実が落ち、特有のにおいを放っており「熊本城を思い出した」と故郷の名城の記憶もよみがえらせていた。

=2018/09/14付 西日本スポーツ=

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