CS、甲斐の肩&リードが初下克上の鍵/斉藤和巳氏の目

西日本スポーツ評論家の斉藤和巳氏
西日本スポーツ評論家の斉藤和巳氏
写真を見る
全体練習に参加しキャッチボールする甲斐
全体練習に参加しキャッチボールする甲斐
写真を見る

 2018年のクライマックスシリーズ(CS)が13日に幕を開ける。レギュラーシーズンを2位で終えたソフトバンクは3位の日本ハムを本拠地ヤフオクドームに迎え、ファーストステージ(S)を戦う。勝ち抜けば、17日に始まるファイナルSで10年ぶりにリーグ制覇した西武と敵地メットライフドームで激突する。リーグ連覇こそ逃したが、2年連続日本一は譲れない。ソフトバンク初の下克上はあるか-。パ・リーグのCSの行方を本紙評論家の斉藤和巳氏が占った。

 最大でも3試合で決着がつくファーストSは、初戦の結果でほぼ決まると言ってもいい。パ・リーグのファーストSは過去11度のうち、初戦に勝利したチームが10度突破している。初戦を落としてファイナルSに進んだケースは17年の楽天(リーグ3位)の1度だけ。初戦を取って王手という状況に持ち込むことがいかに大事かが分かる。

 個人的な印象では、短期決戦はレギュラーシーズンの勝敗データがあまり役に立たない。それ以上に現在の状態が大事。日本ハム戦を7連勝で締めくくり、8ゲーム差をつけたことは忘れた方がいい。短期決戦は一つのプレー、1球の失投で流れが変わる。やるべきことをきっちりやる。とにかくミスを減らすことだ。

 勝敗のデータが当てにならない一方、投手と打者の相性は短期決戦でも存在する。日本ハムの初戦先発は上沢だろう。ホークス戦の対戦防御率は2・20。6試合で2完投(1完封)して4勝2敗で、ホークスにやや分の悪い数字が並ぶ。上沢の出来が結果に直結する可能性は十分にある。

 アドバンテージがあるとすれば、本拠地で戦えることだ。ホークス打線は今季チーム本塁打数が200発を超えており、細かな作戦や適時打で得点を重ねるというより、CSでもレギュラーシーズンと同様に一発攻勢で相手より多く点を奪っていきたい。

 日本ハムは得点源の一人であるレアードが故障で不在。近藤や中田に頼る形となるが、こちらは機動力、足も絡めて点を取りにくる。盗塁はもちろん、ランエンドヒットや隙を突いた走塁などによる攻撃を先導するのは西川だ。彼が日本ハム打線の鍵を握る。

 ホークスでは甲斐をキーマンに挙げたい。日本ハムは、勝機をつかむためにリスクを冒してでも走ってくる。4割4分7厘の盗塁阻止率を誇る甲斐が日本ハムの盗塁、機動力をいかに阻止できるかが一つのポイント。さらにはCSを通して投手陣をいかにリードしていくか。昨年のポストシーズンの経験をどう生かすかに注目している。

 ファーストSを勝ち抜かなければ先はない。まずは第一関門突破に集中すること。ファイナルSの戦いはある程度、臨機応変になるだろう。ファーストSが第3戦までもつれるかは分からないが、3番手、4番手の先発から西武戦に臨むことを考えても、救援陣が重要になるのは自明の理だ。

 勝ちパターンの終盤は「嘉弥真、加治屋、森」で固まっており、先発が早く降板したケースや接戦の中盤に登場する可能性が高い「大竹、石川、武田」の起用が勝敗の分岐点になりそうだ。西武は抑えのヒースにつなぐまでの中継ぎに不安がある。ホークスは相手先発を早く降板させた上での「接戦」、つまり救援陣の勝負に持ち込みたい。

 絶対に避けたいのは序盤の大量失点。大事なのは西武打線をいかに分断するかだ。秋山を封じれば、浅村と山川の得点力を抑え込める。3、4番のソロ本塁打なら仕方ない-。それぐらい割り切る方がいい結果につながる。西武も機動力を使ってくるだけに、こちらも甲斐の肩とリードはポイントになる。もう一つは無駄な四球を与えて、西武打線のつながりを生まないこと。さらに言えば、相手にバットを振らせないと、アウトはなかなか取れない。

 ファイナルSは優勝チームに1勝のアドバンテージがあり、下位チームが勝ち抜くのは至難の業。ただ、ホークスは2004~06年のプレーオフ時代に2度、CSになってからも10年に「下克上」を許した悔しい経験があり、リーグ2位で臨む今季は連続日本一というモチベーションもある。どんな形でもいい。投手陣は相手より1点でも少なく、打線は1点でも多く。強い気持ちで勝利をつかみ取ってもらいたい。 (西日本スポーツ評論家)

=2018/10/12付 西日本スポーツ=

今日の西スポ紙面はこちら 西スポプラス

西日本新聞のイチオシ [PR]

ソフトバンクホークス選手の写真販売中!

西日本新聞のイチオシ [PR]