ソフトB下克上CS突破 西武打線封じへ工藤監督が出した“19年前”と同じ答え

6回無死、ソロ本塁打の柳田(9)を迎える工藤監督(右端)ら
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ファンの声援に応える工藤監督
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工藤監督(左)をねぎらう王会長
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 ◆パ・リーグCSファイナルステージ:第5戦 西武5-6ソフトバンク(21日・メットライフドーム)

 「下克上」成った! レギュラーシーズン2位の工藤ホークスが、同優勝の西武に雪辱した。パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S)第5戦を6-5で制し、4勝2敗(アドバンテージ含む)で日本シリーズ進出が決定。2位以下からの日本シリーズ進出は球団初だ。CSの最優秀選手(MVP)は、この日も4打点と大活躍した柳田悠岐外野手(30)が初受賞。セ・リーグ3連覇の広島と初顔合わせとなる日本シリーズ(27日開幕)では、2年連続9度目の日本一を目指す。

■両手で拳握り笑顔

 これ以上ない悔しさを味わった地で、最高のリベンジを果たした。1点リードの9回2死。森のゴロを処理した川島の送球がファーストミットに収まると、工藤監督は強く1度手をたたいた後、両手で強く拳を握った。すぐに首脳陣で握手。顔にはこぼれんばかりの笑みがあふれた。

 「とにかく(西武に)チャレンジして勝ちたいという思いでここまでやってきた。選手が悔しい思いを持って戦い、勝ってくれたことが一番」

 リーグVをもぎとられた獅子に立ち向かい、撃破した。シーズンは12勝13敗の負け越し。特に驚異的な追い上げで一時3ゲーム差にまで詰め寄った9月には、メットライフドームの直接対決6試合で1勝5敗とたたきのめされた。現役時代から験かつぎはしないタイプ。だが、9月の敵地で敗戦翌日には、遠征先でも日課としているランニングで「流れを変えたい」と、普段とは90度違う方向へ走りだしたこともあった。

 流れが変わることはなく、最後は6・5ゲーム差でV逸。悔しさを晴らすには、負けを認め、勝つための準備を整えることで流れを変えるしかなかった。現役時に14度日本シリーズに出場。「短期決戦の鬼」がCSで西武打線を封じるために出した答えは「どこで抑え、打線を切るか」。エースとしてホークスを福岡移転後初の日本一に導いた19年前と同じだった。

 1999年の中日との日本シリーズ。相手キーマンと目した1番関川を徹底分析で丸裸にした。自身が完封した第1戦で打撃を崩し、第4戦まで無安打。シリーズわずか2安打に封じた。そして今季の西武の「鍵」。当然の中軸と、1番打者の秋山だった。リーグ順位が決まると、コーチ陣に資料の洗い直しを指示。データ班が用意した200ページものPDFファイルも踏まえ、対策をすり合わせた。

 西武のみやざきフェニックス・リーグでの調整もスコアラーが撮影。秋山が特定のコースで示す反応を把握し、攻めを徹底した。データ班は不調時の秋山が示す傾向も把握しており、それは今CS5試合中4試合で一致していたという。結局、リーグ打率2位の切り込み隊長を5試合で3安打に抑え、獅子脅し打線のパワーをそいだ。

■選手起用もズバリ

 「投手だけじゃなくて野手も一つになって、頑張ろうという思いでやってくれた」。リベンジを果たした選手らをたたえたが、2カ月近く1軍を離れた内川をファイナルSから招集し、第3戦からは松田宣をスタメンから外すなど自らも大きな決断を下した。西田の起用や細かい継投策もズバリと的中。リーグ王者を撃破した自信を胸に、広島との頂上決戦に臨む。 (倉成孝史)

 達川ヘッドコーチ「西武は本当に強いチームじゃった。うちがたまたまいい状態でこられた。勝負は時の運。強いから勝ったわけじゃない。日本シリーズへの挑戦権をいただいた。西武の分までパ・リーグの代表としていい試合がしたい」

 後藤球団社長「9月の西武戦が選手を強くしたのでは。MVPの柳田に限らず、西武の選手も含めてすごかった。上林がこの舞台で力を出せる選手になったのは感無量。(高橋礼について)今どきの若い人はすごい(笑)。工藤監督の判断力はわれわれも見習わなければ」

◆18度目の日本S進出

 ソフトバンクが2年連続で日本シリーズ出場を決めた。前身の南海とダイエー時代を含め18度目の出場は、巨人34度、西武(西鉄)21度に次ぐ歴代3位。ホークスは昨年も含め8度、日本一に輝いている。18年も日本一になれば、14年と15年以来2度目の2連覇となる。工藤監督が指揮を執った15年以降4シーズンで、シリーズ進出は3度目。15年と17年は日本一になっている。

=2018/10/22付 西日本スポーツ=

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