追いかけた清宮の背中/ホークス3位・野村大樹2

早実高時代の野村(左)と清宮=2016年
早実高時代の野村(左)と清宮=2016年
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 今秋のドラフトでホークスは支配下7人、育成4人の計11人を指名した。3年連続日本一を目指すチームに加わる平成最後のルーキーたちを紹介する。

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 憧れの早実高に入学した野村は圧倒された。「何もかもが規格外」。歴代最多とされる高校通算111本塁打を放った清宮幸太郎(日本ハム)はそれほどのオーラを放っていた。既に体重100キロを超えていた先輩が3番に座り、自身は1年時から4番を託された。

 野球ファンの視線を一身に集める超高校級スラッガーとの日々。「全国で一番注目されている高校でプレーできたのは財産」。入学当初は「神宮で野球をしたい」と早大でプレーする青写真を描いていたが、1年秋にプロへの思いを強くする試合があった。

 日大三高との都大会決勝。左腕の桜井周斗(DeNA)に清宮が5三振を喫する中、9回にスライダーを右翼席へ運ぶサヨナラ2ラン。清宮が「あいつは男」と舌を巻いた一発で、翌春の選抜大会出場を決定的にした。担当の山本省吾スカウトも「(内角に)入ってくる球を逆方向にスタンドインする技術に驚いた。捉える力は清宮君より上かもと思った」と振り返る。

 直後の明治神宮大会では準優勝。福岡大大濠高との準決勝で好投手の三浦銀二(法大)から本塁打を放つなど、3試合で9打数5安打6打点と活躍。「マークされているのが分かる中でいい投手からも打てた。もっと上でやれるかもと思った」。選抜大会も2試合で9打数5安打2打点。大舞台での勝負強さを見せた。

 昨年10月のドラフト会議では、清宮が高校生最多に並ぶ7球団のドラフト1位指名を受けた。無数のフラッシュを浴びる先輩を担いだ野村は「来年は自分の番にしないと」とプロへの思いをさらに強くした。

 一時は捕手転向し、主将を務めた3年時の甲子園出場は果たせなかったが、高校通算68本塁打の実績を残した。プロか大学進学か-。夏休み中には10回近い家族会議を重ねた。そして9月10日。18歳の誕生日にプロ志望届を提出した。

 ホークスからドラフト3位の指名を受けると、メッセージが届いた。「プロは厳しい世界。でも、しっかり努力して考えてやれば大丈夫」。ルーキーイヤーに7本塁打を放った清宮からだった。「挑戦せずに後悔はしたくなかった。人生は一度きりなので」。文武両道の球児が、プロで「野球一本」の勝負に臨む。 (文中敬称略)

=2018/12/15付 西日本スポーツ=

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