地元に残って“才能開花”/ホークス6位・泉圭輔

金沢西高時代から大器の片りんをのぞかせていた泉
金沢西高時代から大器の片りんをのぞかせていた泉
写真を見る

 今秋のドラフトでホークスは支配下7人、育成4人の計11人を指名した。3年連続日本一を目指すチームに加わる平成最後のルーキーたちを紹介する。

   ◇    ◇

 身長187センチ、最速147キロ右腕の泉は、1997年3月2日、父定彦と母優子の次男として3834グラムで産まれた。「大きく産んで大きく育てた」と父は振り返る。泉は3歳上の兄がいた影響で、金沢市の三馬(みんま)小3年で軟式野球チーム「三馬クラブ」へ。高学年になると成長痛に悩まされ、夜中に泣きじゃくって母を起こすことも度々あった。

 清泉中の3年間で身長は20センチ以上伸び、金沢西高時代に180センチを超えた。柔軟性のあるフォームから140キロ近い直球を投げる右腕に、福岡ソフトバンクの山本省吾スカウトは「背が高くて球の扱いがうまい」と目を引きつけられた。同スカウトは左腕エースとして星稜高を95年夏の甲子園準優勝に導いた地元石川県の英雄。一方で泉は「うれしかったけど、何で僕を見ているんだろうと思っていた」。高校で野球をやめるつもりだった。

 ただ県外の大学から多くの誘いを受けた。「どうせやるならレベルの高い県外で」と考えたが、家族会議で父から頭を下げられた。兄も大学に通う中、経済的な理由もあって地元金沢星稜大に進学した。

 大学に投手専門のコーチはいなかった。泉はインターネットで長身、細身という自分に似た投手の動画やトレーニング法を探し回った。「ホークスの武田さんやメジャーリーガーを見て、まねして、また見て」。自らの手で道を切り開き、北陸大学リーグ通算23勝を挙げた。

 3年秋、社会人の強豪からオファーが届いた。入社の条件はプロ志望届を出さないこと。これが泉の心に火をつけた。「自分にプレッシャーをかけた」。全国大会でプレーした経験がない右腕が強くプロを意識した瞬間だった。

 今年8月19日、東都の名門青学大とのオープン戦にはバックネット裏に約30人のスカウトが集結。泉は「駄目なら仕方ない。そう思うと開き直れた」と5回を被安打1、無失点の快投でドラフト候補の評価を固めた。「体ができれば意外と早く1軍で投げているかも」と山本スカウト。「(地元に残った)選択は間違っていなかった」という発展途上の右腕がプロのスタートラインに立った。 (文中敬称略)

=2018/12/18付 西日本スポーツ=

今日の西スポ紙面はこちら 西スポプラス

西日本新聞のイチオシ [PR]

ホークス下剋上日本一!西スポ2018アーカイブス

西日本新聞のイチオシ [PR]