元番記者「こぶ平」が見た人間・摂津 カミナリ、イクメン、昆虫愛

 いつからだったか、もう思い出せない。「こぶ平!」。ずんぐりむっくりした私の体形や、丸い顔から、落語家の林家正蔵(こぶ平から襲名)を連想したのだろう。2学年上の摂津投手から、私はそう呼ばれ続けてきた。希代の好投手からもらった愛称は、私の心の中の勲章でもある。

 タカ番1年目を終えた2013年オフから「投手担当」として、摂津投手に接してきた。仕事以前に、人としての関係を大事にされていたように思う。私の態度に「おれはおまえの友達じゃない」とお叱りも受けた。他人に厳しく、それ以上に自分に厳しかった。

 その振る舞いにギスギスしたものを感じさせなかった一つの理由は「ギャップ萌(も)え」。グラウンドを離れると、鬼気迫るマウンドでの表情から一変。「喜」「楽」の感情をストレートに表に出した。

 何より大事にしたのが、長女との時間だ。生まれたばかりの頃。赤ん坊の不規則な睡眠時間に「シーズンオフでよかったよ」と苦笑いを浮かべていたが、うれしそうだった。まだ立つことができない時期にも、練習や必要なケアを終えると、すぐに帰途に就き、お風呂に入れていた。

 カブトムシやクワガタもかわいがった。もらった当時幼虫だったオオクワガタは、成虫になってから3年近くわが家で生き抜いた。表も裏も、魅了してくれた“人間力”。指導者としての活躍も、楽しみに待ちたい。 (13~17年ソフトバンク担当・谷光太郎)

=2019/01/09付 西日本スポーツ=

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