ソフトB摂津、笑顔で別れ 618日ぶりの復活星「あれは一番」 球団は引退セレモニー検討

現役引退会見で時折笑顔を見せた摂津
現役引退会見で時折笑顔を見せた摂津
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引退会見を終え、家族から花束を贈られた摂津(右)
引退会見を終え、家族から花束を贈られた摂津(右)
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メッセージが添えられた和田から贈られた花
メッセージが添えられた和田から贈られた花
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 10年間に悔いなし-。福岡ソフトバンクを昨季限りで退団した摂津正投手(36)が8日、ヤフオクドームで現役引退会見を開いた。2009年にドラフト5位で入団し、1年目から2年連続で最優秀中継ぎ投手となると、先発転向後の11年からは5年連続で2桁勝利をマーク。12年には沢村賞にも輝いた右腕は、晴れやかな表情で現役生活に別れを告げた。球団はオープン戦期間中の引退セレモニーを検討。今後は当面未定だが、本人は将来的な指導者への夢も明かした。

 やりきったからこそ、涙はなかった。26歳のオールドルーキーとしてドラフト5位で入団した09年に新人王と最優秀中継ぎ賞を獲得。その後も最多勝に沢村賞と、エースとして輝きを放ち続けた。10年目の昨季は登板7試合で2勝(4敗)に終わるなど、昨年までの3年間は4勝。オフに来季の構想外を伝えられ、他球団からのオファーを待ったが、引退を決断した摂津の表情はすがすがしかった。

 「正直、自分の中では(オファーは)厳しいだろうな、という思いはあった。10年という選手生活だったけど本当に満足はしている。後悔も、悔いもなく終わることができました」

 まさに屋台骨となり、チームを常勝軍団に押し上げたプロ人生だった。10年には中継ぎとして71試合に登板し、ソフトバンクでは初のリーグ優勝に貢献。11年から先発転向すると、和田(16年に復帰)、杉内、ホールトンが一気に抜けた12年には、17勝を挙げて沢村賞に輝いた。在籍10年間で、チームはともに5度のリーグVと日本一。輝かしい記録も記憶も残したが、一番の思い出は逆風の中でつかんだ白星だ。

 「あれは一番。いろんな感情があって印象的な試合」。16年以降は若手の台頭などで登板機会に恵まれなかった中、昨年5月22日の西武戦で618日ぶりの復活星を挙げ、お立ち台ではファンの声援に声を詰まらせ、涙を流した。「今まで味わったことのないような素晴らしい声援を送っていただいた。そんな経験はなかなかできない。これからの人生に役立てていきたい」。苦しんだ3年間を、必ず今後に生かすつもりだ。

 「すごく意味がある3年。いろんな選手の気持ちになって、物事を考えられるようになったのかな」。球団はオープン戦期間中にヤフオクドームでの引退セレモニーを検討しているが、今後については当面未定。それでも「何かしら野球に携わりたい」と将来的な指導者への夢も口にした。

 先輩の和田からは「またホークスに戻ってきて」とメッセージが添えられた花が贈られた。「チャンスとタイミングだと思うので、あれば(ホークスでの指導者を)やってみたい」。苑子夫人と2歳となる長女の衣麻(えま)ちゃんから花束を受け取った右腕は「(長女に)記憶があるか分からないけど、昔ちょっと野球やってたんだって、思ってくれたらいい」と、優しい父親の表情に戻った。 (倉成孝史)

 ◆摂津正(せっつ・ただし)1982年6月1日生まれ。秋田市出身。秋田経法大付高(現明桜高)-JR東日本東北-ソフトバンク。181センチ、93キロ。右投げ右打ち。

=2019/01/09付 西日本スポーツ=

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