ソフトバンク武田の自主トレ珍光景 なぜ脚に「ギプス」をはめて投げるのか

右足にギプスをしてキャッチボールする武田
右足にギプスをしてキャッチボールする武田
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 ソフトバンクの武田翔太投手(25)が10日、福岡県春日市で、大竹耕太郎投手(23)らと行っている自主トレを公開した。

 昨季は3完封をマークしながら不安定で、4勝9敗、防御率4・48。途中、ファームでの再調整中に久保2軍投手コーチから指導を受け、後半戦では主に中継ぎとして安定感を向上させた。そこで取り入れた練習アイテムを、オフの自主トレで継続中。本人が「三種の神器」と呼ぶ器具について説明した。

・「ギプス」 脚用の固定装具のことで、マジックテープで着脱できる。武田によると、前十字靱帯(じんたい)を負傷した人が使うような、医療用のものという。キャッチボールの際、軸足にはめ、膝上からすね付近までを固定する。「脚を使わない。ロックしちゃえば、使えない」という意識付けだ。

 前段として、久保コーチから授かった発想の転換がある。武田も、よく言われる「下半身を使って投げる」という意識だったが、逆に「下半身を使わずに投げる」という助言を受けた。これが転機になった。

 自己分析すると、以前は「下半身を使おうとして、かえって使えていない」状態だった。「だから(下半身を)使わないようにして使う」。ただ、現実には下半身を使わずに投げるフォームはあり得ず「(意図して)使う必要はない。自然と使われる」のだという。

・踏み台 木製の台の上面が傾斜になっており、人工芝が張られている。横幅はプレート程度。規定で定められたマウンドの高さ、傾斜に似せてある。“マウンド中央部分だけ切り出したもの”と考えるとイメージしやすい。

 この日、グラウンドに持ち出された4台のうち、1台は久保コーチの私物。これを模し、武田がホームセンターでDIYした。1台だけ傾斜の角度が非常に急になっているが、これは設計ミスらしい。

 この上に立って投球動作を行い、まずは「フォロースルーのポジションをつくる」。思い描くリリースポイントで球を離し、投げ終わったときの形を確認。「そこから逆算していく」と、そこに至る過程を考える上で基準になるという。

 台の上から実際にボールを投げる場合も、シャドーピッチングの場合もあるが、背丈ほどの長さの木や、竹の棒を振り下ろす練習もある。下ろしたとき、棒が本塁へ真っすぐ向かうよう反復。「ロスがないように、投げる軌道を正す」意識付けだという。

 踏み台の向きを変えて上り坂にし、今度は踏み出す足の置き場にする使い方もある。「しっかり上から踏む感覚と、上体の返るタイミングを意識してやっている」。現実とは逆に、軸足より高いところに足場をつくることで、より垂直的に足を下ろす感覚を養う。

・平均台 あくまでニックネームで、実際の平均台ではなく“のようなもの”。靴一足分にも満たないぐらいの幅の合板の上に、人工芝が張ってある。これも久保コーチが考案したものを模した手作り品。長さは2メートル超あるが、二つに折りたためて、キャスター付き。持ち運びの負担を軽減する工夫がしてある。

 枕木があり、足場の板は少し高くなっている。この上をステップして投球動作を確認。「綱渡りと同じ感覚。足場が細いと、落ちるのが怖い。その無意識の怖さを感覚に取り入れる。落ちたら大ケガしてしまう細い道をどうやって歩くか。上から踏むはず」。これも、より垂直的に足を下ろす意識付けの一つ。骨盤の使い方にも関わってくるという。棒はここでも使う。

 武田は福岡県内の自宅に、人工芝を敷いた小型ブルペンを設けたほどで、昨年からとにかくフォーム固めに心を砕いている。持ち運びできる「三種の神器」は今季、遠征にもフルシーズンで“帯同”する考えだ。

=2019/01/11 西日本スポーツ=

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