そして事件は起きた 黒星続き…逃げるナインに生卵【平成8年のホークス】

ダイエーファンが陣取る左翼席から発煙筒が投げ入れられた日生球場(平成8年5月)
ダイエーファンが陣取る左翼席から発煙筒が投げ入れられた日生球場(平成8年5月)
写真を見る
ダイエーナインの乗ったバスにファンから生卵が投げつけられた(平成8年5月=画像を一部加工しています)
ダイエーナインの乗ったバスにファンから生卵が投げつけられた(平成8年5月=画像を一部加工しています)
写真を見る

 ソフトバンクが本拠地を福岡に移して30周年を迎えた。移転最初のシーズンは平成元年。弱小から常勝へと変貌した「平成のホークス」の歩みを振り返る。

 ◆1996(平成8)年=6位/54勝74敗2分け 勝率・422

 王貞治監督の就任2年目はチームスローガン「一二三 いかせます。」を掲げて始動した。

 3月30日の開幕戦、移籍後2年連続開幕投手の工藤公康が6回6失点で降板。前年ホームラン王の小久保裕紀が2ランを放ったが及ばず、チームは黒星スタートとなった。その後も波に乗れず、4月を終えて7勝16敗で最下位。この間に一度も連勝できないまま5月戦線に向かうことになった。

 5月7~9日、大阪・日生球場での最後のプロ野球公式戦だった近鉄3連戦。雨天中止の2戦目を挟み2度目の4連敗を喫した3戦目のナイター後に事件が起きた。暴徒化した一部ファンが左翼スタンドから発煙筒を投げ込んだ。初戦の試合後にバスが取り囲まれたことから、球団は球場正面ではなくバックスクリーン奥にバスを待機させたが一部ファンが先回り。消灯30分後、逃げるようにグラウンドを抜けバスに乗り込んだ王監督やナインが見たものは、窓に投げつけられ中身がだらりと垂れ下がった生卵だった。

 屈辱を味わった王監督は「答えは一つ(勝利)しかない」と受け止め、立て直しの策を講じた。その一つが加入1年目の外国人、ホセの抑え転向。台湾球界からダイエー入りしたドミニカ共和国出身の右腕は6月の10試合に登板して8連続セーブポイントを含む1勝1敗8セーブ、防御率0・81。獅子奮迅の活躍で月間MVPに輝いた。同月は村松有人も含め、最下位ながら投打で月間MVPを受賞した。

 6月から8月にかけて移籍1年目の右腕、武田一浩が7連勝。6、7月はチームも月間勝ち越しを決め徐々に盛り返したが、序盤の不振が響き勝率5割には届かなかった。2年連続でチーム防御率がリーグワーストになるなど投手陣が安定感を欠き、最下位。村松が58盗塁、工藤が178奪三振でタイトルを獲得したのが光明だった。

 ドラフトでは1位で青学大のアマチュア球界ナンバーワン内野手・井口忠仁(現資仁)、2位でアトランタ五輪で5本塁打の松中信彦、3位では中日も獲得を狙った柴原洋を指名。のちにチームを支えることになる野手3人の獲得に成功した。

=2019/02/10 西日本スポーツ=

今日の西スポ紙面はこちら 西スポプラス

西日本新聞のイチオシ [PR]

ホークス下剋上日本一!西スポ2018アーカイブス

西日本新聞のイチオシ [PR]