「俺、何言ってたんだ?」 ソフトバンク甲斐野が本音で語る初キャンプ

インタビューに答えるドラフト1位の甲斐野
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キャンプ中、甲斐野(左)に投球動作を教える千賀
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「ホークスはキャッチボールですらレベルが高い」と話す甲斐野
「ホークスはキャッチボールですらレベルが高い」と話す甲斐野
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 ソフトバンクのドラフト1位ルーキー、甲斐野央投手(22)=東洋大=が充実のキャンプを過ごしている。開幕1軍入りへアピールを重ねていく中で、千賀滉大投手(26)からはともに決め球とするフォークについての助言をもらったという。西日本スポーツのインタビューに応じた右腕は、米メジャー・エンゼルスの大谷翔平が日本ハム時代の2016年にマークした日本選手最速の165キロ超えにも改めて意欲を示した。(聞き手=山田孝人、構成=林原弘)

 -宮崎春季キャンプも第3クールまで終了。いろんな発見があったのでは?

 「慣れていなかった初日が一番きつかったです。第2クールまでよく走ったので、体力面でも追い付けていない部分はありましたが、必死で食らい付きました。非常にいい時間を過ごせています」

 -チームにはテレビで見ていた人がたくさんいる。

 「新人合同自主トレ中もあいさつしましたが、一緒に野球ができるという実感がなかったですね。(シート打撃で)対戦しても、楽しかったけど、自分のことで精いっぱいでした」

 -多くのファンが練習を見ている。

 「それも初日が一番違和感がありましたが、徐々に慣れました。僕のために集まってくれたわけではないので(笑)。そこは全然勘違いしていません」

 -ドラフト1位として注目される。

 「ありがたいことですが、ファンの方はホークスが好きという感じ。柳田さんや松田(宣)さん(を見たい)というのもあるんでしょうけど、個人というよりチームの応援に来ているんだなと思います」

 -12日のシート打撃では最速153キロをマーク。

 「プロは球速だけでは抑えられないと改めて分かりました。打者を抑えるテクニックをつけたい。総合力の高い投手を目指しているので、人から聞くなどして自分のものにしたい。球速にこだわらず、打者を抑えることが一番大事」

 -今後の鍵は変化球?

 「(打者の)タイミングを外す球種のレベルが全然足りないですね」

 -宮崎では室内練習場で千賀と話し込んでいた。

 「日本を代表する投手。僕が未経験のことも引き出しが多い。そんな方の話をただで聞けるなんて、これ以上いい話はない(笑)。遠慮なく自分の引き出しにしたい。『いい時間だった』で終わらず、次にどうするかまで考えないと」

 -千賀とは身ぶり手ぶりも交えて話していた。

 「『どんな意識でキャッチボールをしているのですか?』と質問したら『おまえはどうなんだ?』と逆に聞かれました。それでフォークの話もして」

 -どちらもフォークを決め球にしている。

 「『フォークはどう投げる?』と聞かれて。こう投げたらどうか、ああ投げたらどうなる、といったディスカッションもしました。僕から『がっつり教えてください』と言わせてもらったこともありました」

 -A組に新人が4人。

 「僕にとっては(チームの)全員がライバル。(A組の)他の3人に負けたくないという特別な感情はありません」

 -3人の存在は心強い?

 「他チームには(東洋大の)先輩がいるんですが、ホークスは森ヘッドコーチぐらい。つながりがあまりないので、逆に不安な気持ちで入ってやろうと思いました。分かっちゃうと楽しくなくなるので」

 -余計な先入観はないほうがいい。

 「(宮崎も)初めての場所なので、全部初めてという気持ちでいけたのが良かったと思います」

 -中学、高校時代は兵庫県選抜で西武のドラフト1位の松本航(日体大)がチームメートだった。

 「(ニュースは)もちろん見ます。動画も見ています」

 -気になる存在か。

 「気にならないといったらうそになるけど、松本だけではないし。あと、東洋大の同期の上茶谷(DeNA)や梅津(中日)は無意識に(ニュースを)見ちゃいます。『東洋の3人』と言われるし。(刺激になるのは)間違いない」

 -向こうにも刺激に。

 「分からないですけど(笑)僕からしたらすごい刺激です。上茶谷、梅津とはラインのグループをつくって連絡しています」

 -抑えを目指していることを知ったサファテには、初対面で「君とはしゃべらない」と言われた。

 「ジョークです。間違いない(笑)」

 -ちなみにどう答えた。

 「笑ってごまかしました」

 -球速にはこだわらないというが、将来的な目標はあるか。

 「打者を抑える延長線上に160キロがあればいい。ファンにとってはすごい記録。新聞では『夢は大谷の165キロ超え』と出たけど、まずは一つのアウトを積み重ねること。数字はその先。でも(目標は165キロ超えと)言っていただいても大丈夫ですけどね」

 -サファテが戻った救援陣は非常に層が厚い。

 「そう思います」

 -開幕1軍、新人王の目標はぶれないか。

 「新人王が簡単に取れないことは分かっていましたが、プロに入ってレベルの高さが分かった。『俺、何言ってたんだ?』という気持ちもあります」

 -登板機会を手にすること自体が大変だ。

 「ブルペンなどでレベルの違いを感じます。逆に言うと、12球団一のチームに入らせていただいたのは、プラスでしかない。ここでポジションを勝ち取ることに意味があると思う」

 -ホークスで勝ち取れば国内トップクラス。

 「12球団一ですから」

 -レベルの高さを特に感じる部分は。

 「キャッチボールがうまい。投球もブルペンより実戦の方が上です。オンオフの切り替えがうまいし、(自分との差を)言い出したら止まりません」

 -ここまで投げた打者で一番怖かったのは。

 「うーん…誰というのはないのですが、本当にソフトバンクが敵じゃなくて良かったと思う(笑)。大観衆の前であの打線に投げると、すごい重圧を感じるでしょうね」

 -今後のキャンプをどう過ごす?

 「実戦が増え、けん制やサインプレーも増えます。そういう部分でも遅れないようにしたい」

 ◆甲斐野央(かいの・ひろし)1996年11月16日生まれ。兵庫県出身。黒田庄少年野球団(桜丘小)で野球を始め、小学3年から投手。黒田庄中では3年時にKボールの兵庫県選抜で全国優勝。東洋大姫路高3年夏は兵庫大会5回戦敗退。東洋大では3年夏から不動の抑え。最速159キロの直球に落差の大きなフォークが武器。187センチ、86キロ。右投げ左打ち。

=2019/02/14付 西日本スポーツ=

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