[2015年]【地方議員とカネ~オフレコ話】番外編 識者に聞く 関心を引きつけるには

西日本新聞

 「政治とカネ」の問題もあり、地方議会は有権者から遠い存在になりつつある。公益財団法人明るい選挙推進協会(東京)が統一地方選後に毎回実施している意識調査では、前回の2011年は「候補者の人物や政見がわからない」との回答が初めて5割を超えた。議会に有権者の関心を引きつけるには-。議員報酬や政務活動費の在り方、議員が果たすべき責任について識者に聞いた。

 ■さらなる削減やむなし

 2002年の長崎県知事選をめぐる違法献金事件で捜査を指揮した元検事の郷原信郎弁護士 行政の監視や政策提言といった機能が地方議会の役割だが、必ずしも専業でなければならないのか疑問だ。忙しいサラリーマンでもできる議員の在り方も必要では。活動が低調な議会ならスリム化をさらに進めるしかない。

 議員報酬の低さが、なり手不足に拍車をかけているのかもしれないが、報酬増などの待遇改善に有権者の理解を得るのは難しいと言わざるを得ない。議会自らが中から変わるのが先だ。

 ■「業務報告」の義務化を

 衆院政治倫理・公選法改正特別委員会(倫選特)の山本拓委員長 政治活動に使う金の出入りをきちんと公開するルールにのっとり、虚偽報告への罰則を厳しくするべきだ。ただ、地方議員に対して1円以上の領収書をすべて公開させるような考えはおかしい。とても手間がかかり、本来の仕事にかける時間が奪われる。

 収支の中身の是非は選挙で有権者に問われる。地方も国も、政治家にとって一番大切なのは結果。政務活動費にしても、支出そのものより、その支出で政治家が何に取り組んできたかを示すことに力を入れるべきだ。毎年度末に「業務結果報告書」の提出を義務づけるような仕組みをつくってもいいのでは。

 ■政策本位の選挙目指せ

 政治とカネの問題に詳しい岩井奉信・日本大法学部教授(政治学) 地方政治は首長と議会の二元代表制だが、現実は議会解散権を持つ首長に対し、議員による条例案や予算否決はまれで、力の差は大きい。しかし将来、地方分権が進み地方の裁量が広がれば、最終決定機関である議会の存在は大きくなる。有権者が日ごろから動向をチェックしておかないと、地方政治がとんでもない方向へ行きかねない。

 政党の関与が比較的薄い地方選挙は後援会が中心になりがちだ。議員は後援会に「設備投資」して組織を充実させる。すると新規参入はさらに難しくなり、有権者の関心は高まらない。政治家も有権者も、金のかかる後援会型の選挙から、政策本位の選挙に転換する努力をしてほしい。

=2015/04/11付 西日本新聞朝刊=

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