九州で大雨 土砂災害の恐れも 熊本、長崎で35万人に避難指示・勧告

西日本新聞

熊本県天草市船之尾町の国重文「祇園橋」付近では下を流れる町山口川が増水、一部はんらんした=11日午前8時半 拡大

熊本県天草市船之尾町の国重文「祇園橋」付近では下を流れる町山口川が増水、一部はんらんした=11日午前8時半

 九州中部付近に停滞する梅雨前線の活動が活発化したため、九州地方は11日午前、広い範囲で大気の状態が不安定になり、熊本県や長崎県などで局地的に非常に激しい雨が降った。熊本県宇城市では1時間雨量が6月の観測史上最大の63ミリに達し、同市三角町で土砂崩れが発生。正午現在で熊本、長崎両県で計約13万7千世帯、35万人に避難指示や避難勧告が出され、交通機関も乱れた。福岡管区気象台は土砂災害などに警戒を呼びかけている。

 気象台によると、10日正午から11日正午までの総降水量は、宇城市220・5ミリ▽熊本県天草市224・5ミリ▽長崎県南島原市218・0ミリ▽同県島原市191・5ミリ-などを観測した。

 梅雨前線はゆっくりと南下し、福岡県筑後地方を含む一部地域では夜まで激しい雨が続く恐れがある。12日正午までの24時間予想雨量は、いずれも多いところで熊本県180ミリ、長崎、大分、鹿児島3県120ミリの見込み。12日は九州全域で天気が回復する見通しだが、大雨で地盤が緩んでいるところがあり、注意が必要という。

 西日本高速道路九州支社によると、大雨の影響で、九州自動車道の益城熊本空港インターチェンジ(IC)-八代IC間、九州中央自動車道の嘉島ジャンクション-小池高山IC間の上下線が午前8時半から通行止めになった。

 JR九州によると、正午現在、三角線宇土-三角間▽肥薩線人吉-吉松間▽鹿児島本線熊本-八代間-で上下線の運転を見合わせている。九州新幹線への影響はないという。

▼「経験ないどか雨」土砂崩れ相次ぐ

 熊本、長崎両県を襲った大雨で、熊本県宇城市では店舗兼住宅に土砂が流れ込むなど両県で土砂崩れが相次ぎ、民家の床上浸水や道路冠水などの被害が出ている。福岡管区気象台は土砂災害の危険が高まっているとして厳重な警戒を呼びかけている。

 熊本県宇城市三角町波多では午前9時ごろ、土砂崩れがあり、店舗兼住宅の一部が土砂に埋まった。同市三角町では車が土砂崩れに巻き込まれ、1人が救助された。

 同県苓北町では志岐川がはんらんするなど道路冠水、土砂崩れが発生、民家などに床上浸水も出ているもよう。天草市でも被害が相次ぎ、同市船之尾町の国指定重文「祇園橋」では橋げたに濁流が押し寄せ民家の軒下が冠水した。上天草市では午後0時半現在、土砂崩れで国道266号の一部が通行止めになっている。天草市新和町の大宮地川近くに住み、川の様子を見に来た男性は「こんなどか雨は経験したことがない。はんらんが心配だ」と激しい雨の中で急いで家に戻った。

 長崎市金堀町では川岸の土砂が崩れたため、近くの住民1人が親類宅に自主避難。南島原市や雲仙市でも国道251号や県道の一部区間が通行止めになっている。


=2015/06/11付 西日本新聞夕刊=

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