子育て 悩み聴きます 福岡市の伊勢さん 電話、対面で有料相談

西日本新聞

傾聴サービスのモニターを利用する母親の話を聴く伊勢真紀子さん(左) 拡大

傾聴サービスのモニターを利用する母親の話を聴く伊勢真紀子さん(左)

 子育てにまつわるお母さんの悩みや愚痴を聴きます-。育児に悩んだ自らの経験を基に、元高校教諭の伊勢真紀子さん(40)=福岡市=が2歳までの子どもの母親を対象とした有料の傾聴サービスを始めた。「お母さんの心にたまった澱(おり)のようなものを吐き出してもらえたら」という思いがある。

 「夫に『おまえは全部子ども優先だ』と言われて…」。0歳の子どもがいる30代の母親は、伊勢さんにそう話し始めた。夫との関係や「子育てあるある話」など、話はどんどん広がっていった。

 伊勢さんは基本的に聞き役に徹する。意見を求められたら自らの経験を話すこともある。約1時間話した後、母親は「友達に相談すると友達と自分の家庭を比べて落ち込むことがあるけど、聴いてもらえるだけだとすっきりする」と笑顔で話した。

 伊勢さんは2010年に長男を出産。実家に頼れなかったため、日中は子どもと2人きりの生活だった。慣れない育児に心身ともにつらい日々が続いた。泣きやまない長男に手を出しそうになる自分が怖くなり、家を飛び出したこともある。すぐに家に戻ったが、泣き疲れて眠る長男の頬に残る涙の跡を見て、自分を責めた。

 「このままではいけない」。生後3カ月のとき市内のベビーマッサージ教室に参加すると、泣きやまなかった長男が寝るようになった。これを機に民間のベビーマッサージの資格を取り、勤めていた高校を退職。12年から自宅で教室を始めた。

 「ママのさんぽ道」という傾聴サービスを始めたのは、教室に参加する母親たちから育児にまつわる悩みを相談されることが多かったのがきっかけだった。母親たちの姿と産後孤独だった自分を重ね合わせ、「もっとお母さんの心を直接的に支えられるような方法を」とこのサービスを思い付いた。

 子どもが小さいと外出が難しいため、傾聴サービスは基本的に電話だが、希望があれば対面も可能。料金は20分2千円。伊勢さんは「親の心が元気じゃないとパワフルな子どもと向き合えない。育児がつらくて『やめられるものならやめたいと言ってもいいんだよ』と、お母さんの気持ちを肯定できるような場所にしたい」と語る。問い合わせは、ホームページ=http://mama‐sanpomichi.com/=から。


=2015/06/16付 西日本新聞朝刊=

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