【生きる 働く 第6部】ブラック企業 現場の叫び<5完>頑張らず転職考えて

西日本新聞

ブラック企業は戦略的に若者らを搾取すると指摘する光永享央弁護士 拡大

ブラック企業は戦略的に若者らを搾取すると指摘する光永享央弁護士

 働く人を使いつぶす「ブラック企業」の手口をここまで紹介してきた。政府も悪質な企業からの新卒求人をハローワークが拒否できる青少年雇用促進法案を今国会に提出するなど、対策に乗り出した。ブラック企業から身を守るにはどうすればよいのか。2013年に発足し、全国約300人の弁護士が加盟する「ブラック企業被害対策弁護団」の光永享央(たかひろ)弁護士=福岡市=に聞いた。

 相談を受けながら痛感するのは、ここ数年で残業時間が異常な長さになっていることだ。「過労死ライン」とされる月80時間を超えるのは当たり前。月200時間に迫る残業も珍しくない。これは午前9時~午後5時を定時とすると、月に1日も休まず毎日午前零時ごろまで残業し続けていることになる。

 未払い残業代の支払いを求めた労働審判で「労働基準法を守ったら経営なんてできない」と真顔で反論した経営者もいた。笑えない話だ。労働法をきちんと守って労働者の権利や人格を確保する企業が、守るべきルールに違反して利益を上げるブラック企業との競争に負けてしまうことがあってはならない。

 異常な長時間労働なのに残業代を支払わない。厳しいノルマ達成のためには自分を磨かないといけないとマインドコントロールする。使えないと判断すればパワハラでうつ病に追い込んで自己都合退職を迫る‐。これは「たまたま、ひどい社長や上司がいた」という問題ではない。利益の最大化を目的に若者らを使いつぶすブラック企業の労務管理の戦略と考えるべきだ。

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