夏 お薦め絵本

西日本新聞

「ひろしまのピカ」文・絵、丸木俊(小峰書店) 拡大

「ひろしまのピカ」文・絵、丸木俊(小峰書店)

「へいわってすてきだね」詩、安里有生/絵、長谷川義史(ブロンズ新社) 「なつのいちにち」作・絵、はたこうしろう(偕成社) 「はなび」作・絵、秋山とも子(教育画劇)

 夏休み。親子で絵本を楽しむ時間も増えます。福岡県春日市の子どもの本専門店「エルマー」代表の前園敦子さん(68)、福岡「子どもの読書」関連団体連絡協議会運営委員の八尋理恵さん(63)、日本子どもの本研究会会員の杉田るみ子さん(67)の3人に、この夏お薦めの絵本について語り合ってもらいました。

 ●戦争、平和

 -今年は戦後70年。戦争や平和をテーマにした絵本でお薦めは何でしょうか。

 八尋 私は「まちんと」(文・松谷みよ子、絵・司修)。広島の原爆で傷ついた女の子がトマトを口にして「まちんと、まちんと」とさらに欲しがって息絶えるというお話。普通の生活を送っていた子どもが、戦争によって死んでいかなくちゃいけないことがすごく不条理で。初めて読んだとき、涙が止まらなかった。

 前園 私は「ひろしまのピカ」。広島県呉市出身の母から広島に原爆が投下された当時のことを聞かされていた。私も子どもに語りたいと思って、資料を探したときにこの絵本を見つけた。絵が力強い。

 八尋 「へいわってすてきだね」は、今の生活の尊さを当時小学1年の男の子が書いた文章だから、読み聞かせをすると、小学校低学年の子たちにもすっと入っていく。

 -絵本を選ぶポイントは。

 前園 今は「子どもに恐怖心が残るから」と戦争の悲惨さを伝える本が少なくなってきています。私たち大人が「今の生活がどれだけ大事か」ということを認識させて、次に「戦争が起きたらこうなるんだよ」という2本柱で本を薦めないと。

 ●お化け、花火

 -「戦争」「平和」の他にお薦めはありますか。

 前園 「なつのいちにち」はきれい。絵で夏を表現していて素晴らしい。「なつですよ」(作・柴田晋吾、絵・近藤薫美子)は文章も絵もいい。一匹一匹の虫の表情が違う。

 八尋 よく読み聞かせるのは「めっきらもっきら どおんどん」(作・長谷川摂子、画・降矢なな)。男の子が穴に落ちてしまい、お化けたちと遊ぶというファンタジー。子どもたちは大好きですね。

 杉田 私は「ねこのはなびや」(作と絵・渡辺有一)。色が大胆で仕掛け絵本だから子どもが喜ぶ。「はなび」も好きですね。花火が作られ、打ち上げられるまでの過程が分かりやすく描かれていて、裏話を聞いているようで楽しい。

 前園 夏休みは平和について一緒に考えるなど、本を間に置いて、親子で豊かな時間を過ごしてほしいですね。


=2015/08/15付 西日本新聞朝刊=

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