子どもの夜間外出 防犯は? 塾や部活…保護者の連携希薄 地域での声掛け必要

西日本新聞

 大阪府寝屋川市の中学1年2人が遺体で見つかった事件では、子どもだけで夜間や未明に外出している実態も明らかになった。部活動や塾のほか、夏は花火大会や祭りなど夜のイベントで外出する機会も多い。子どもの夜間外出にどう向き合ったらいいのか。各家庭のルールや防犯対策について尋ねた。

 「部活動で帰宅が午後9時を過ぎるので心配。本人は『何かあったら逃げるから大丈夫』となぜか自信を持っている」(高2女子の母)▽「塾からの帰宅は午後8時半。1人で自転車に乗って帰ってくる」(小6女児の母)▽「門限の午後10時を守らないときに叱ると『俺にも付き合いがある』と反論される」(中3男子の父)

 このように、子どもたちの帰宅時間は日が暮れてからの例も多い。防犯対策はどうしているのか。

 自営業の女性(44)=福岡市早良区=は、小学3年の長女に外出の際は必ず携帯電話を持たせる。「万が一のとき、衛星利用測位システム(GPS)機能で位置を知るため」だ。「子どもはいざというときに状況をのみ込めないし、恐怖で声も出ない。日ごろから防犯意識を持たせることが大事」と強調する。

 塾に通う小学6年の娘の帰宅が心配なNPO法人代表の田中彩さん(41)=福岡市中央区=は「知らない人に道を尋ねられ車に乗るように言われても応じない」など、ルールを決めている。しかし「誰にでも親切な子に、『人を警戒しろ』と教えていいのか」という葛藤もある。

 夜間も明るい24時間営業の店は安心感があるのか、午後5時には親から帰宅を促される福岡市の中学3年女子(14)は「午後10時ごろ、親にコンビニにおつかいを頼まれることもある」と言う。

 夏は、祭りなど夜のイベントも多く注意が必要だと語るのは、福岡市南区の会社員女性(44)。数年前、当時中学生の娘が、花火大会からの帰りに渋滞に巻き込まれ、1時間半かけて徒歩で帰宅。午後11時を過ぎ、肝が冷えたという。

 保護者同士のネットワークが希薄になり、子どもを見守る目も減っていると感じているのは長崎県波佐見町の主婦(35)。小学生の子どもの友人がよく遊びに来るが、親は知り合いではないことが多い。「子どもがどこで何をしているのか、親同士で情報を共有するのも大切ではないか」と語る。高校2年の長女がいる会社員女性(41)=福岡市南区=も「学校からの連絡は一斉メール。連絡網もなく、保護者間で連絡を取り合わない」。

 子どもを守るのは、保護者だけではない。周囲の大人にできることは何か。

 高校生の長女がいる会社員女性(44)=福岡市中央区=は、地域の夜間パトロールに参加し、コンビニに集まっている子どもたちに「こんな時間まで何してるの、帰ろう」と声を掛けたことがある。「そういう大人の声掛けがあれば事件は防げたかもしれない」

 福岡市東区のカラーコーディネーター、久保田みきさん(43)は子ども会の役員を務めて以来、顔見知りが増え、子どもに話し掛けやすくなった。「地域の人が子どもに『なんしようと?』と話し掛けられる関係になることが、子どもの命を守ることになる」と思っている。


=2015/08/29付 西日本新聞朝刊=

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