火災保険 10月から保険料値上げ 九州、アップ率大きく しっかり比較、見直しを

西日本新聞

 家庭向け火災保険の保険料が10月1日から値上げされます。全国平均で2~4%の引き上げ率ですが、風水害が多い九州では平均30%近くアップする見通し。家計の負担は大きくなりますが、どう対処すればよいでしょうか? 損害保険に詳しいファイナンシャルプランナーの野瀬ゆみこさん(42)=福岡市=に聞きました。

 -火災保険の保険料はどうやって決まる?

 損保各社でつくる「損害保険料率算出機構」が、保険料収入と支払われた保険金のバランスなどを考慮し、適正な保険料の目安を算定します。損保各社は自由に保険料を決められますが、機構の目安は金融庁に提出されることもあり、損保各社はこの目安を参考にしながら保険料を決めます。

 -なぜ今回、保険料が上がるの?

 火災保険は火事や台風、豪雨、大雪などによる建物の損害を補償する保険です。ここ数年、集中豪雨や大雪による保険金の支払いが増えており、保険料を引き上げてバランスを取る必要が出てきたのです。今回は2007年4月以来の大幅改定。自然災害の頻度は地域で異なり、機構の目安でも値上げ率で地域差を付けています。九州は「台風の通り道」に当たり、風水害が多いことから他地域に比べて値上げ幅が大きくなっています=表参照。

 -保険料が上がると払えなくなるのでは…

 既に契約している火災保険の保険料が10月1日以降、自動的に上がるわけではありません。その日以降の新規契約や満期で更新する契約から、値上げが適用されます。裏を返せば、10月までの1カ月間に保険料水準や補償内容など各社の火災保険を比較しながらシミュレーションし、中途解約など保険を見直すことで、コストアップを最小限にとどめる動きが多く出てきそうです。

 例えば、マンション共用部分の火災保険料として、管理組合が年間80万円の保険に入っているとします。満期まであと1年。同じ内容の保険に9月末までに入り直せば年間保険料120万円、10月1日以降なら160万円になると仮定します。今後4年間の保険料を計算すると、満期を待って契約する場合、80万円+160万円×3=560万円になります。中途解約して9月末までに切り替える場合、120万円×4=480万円で、80万円の差が生じます。

 -管理組合として保険で注意すべき点は?

 管理組合が加入する火災保険は、補償対象が廊下や集会場などの共用部分です。しかしマンション生活では、上の階の水漏れが下の階の部屋に被害を及ぼすなどトラブルが考えられ、そうした場合に補償するなどの「個人賠償責任保険」の特約は大切になってきます。

 ただ、この特約部分の保険料は高騰しています。補償を維持するために高い保険料を払うか、お勧めはしませんが大切な補償を削って保険料を抑えるか。この1カ月の間に二者択一に近い判断を迫られているといえます。管理組合の協議や合意形成は大変です。専門家の知恵を借りて賢い選択をしてください。

 ◇マンション保険バスターズ=092(713)5687


=2015/09/05付 西日本新聞夕刊=

PR

PR

注目のテーマ