お天気データ、商売に生かせ 気象庁、HP利用呼び掛け

西日本新聞

 平均気温が20度を下回ればロングブーツが売れるでしょう-。気象庁は、アメダスや衛星を使って観測した気象データを小売りや農漁業などに役立ててもらおうと、ホームページ(HP)に専用コーナーを開設して活用を呼び掛けている。福岡管区気象台(福岡市)も8月から普及活動を本格化させ、活用セミナーを開催。利用者側に立ったアドバイスを始めている。

 専用コーナーは「気候リスク管理」で、2013年5月に開設された。全国各地の過去の気象データや2週間先の平均気温予測を手軽に調べることができるほか、アパレルやドラッグストア業界の商品需要と平均気温との関係の分析結果も公開。「スポーツドリンクは平均気温25度以上になると販売数が増える」などと、商品の在庫管理の参考情報を示している。

 商品の売れ行きに影響する気象のデータは、これまで十分に活用されてこなかった。気象庁が10年度に実施した302の企業・機関へのアンケートによると、気象データを商品管理に活用しているのは7%にとどまっていた。ホームページで公開されてきた膨大な気象データについて、有識者でつくる国土交通省の交通政策審議会気象分科会は12年に「情報が散らばっていて、何がどこにあるか分からない」と指摘、利用者に使いやすい提供方法への改善を提言していた。

 気象データの活用を促そうと、福岡管区気象台は今年8月、福岡県庁で農業の普及指導員約20人を対象にセミナーを開催。サイトの活用法を説明するとともに、小麦の赤カビ病防除や稲の刈り取りの適期を予測できると解説した。参加した県筑後農林事務所八女普及指導センターの山本知代美参事は「生産者も使いやすく、積極的に活用したい」と話していた。

 同気象台は、有明海でのノリ種付けの適期予測に役立ててもらおうと、県水産海洋技術センター職員へのアドバイスなどにも取り組んでいる。

 同気象台の森本正夫予報官は「産業のリスクマネジメントに生かせるビッグデータは、誰でも見ることができる。事業者や生産者にとっては宝の山であり、ぜひ生かしてほしい」と言う。サイトは気象庁ホームページにあり、無料で利用できる。

=2015/09/25付 西日本新聞夕刊=

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