子どもの叫び受け止めたい チャイルドライン@ふくおか再始動

西日本新聞

 いじめや虐待など子どもの悩みに応じる相談電話「チャイルドライン」で、人手不足から活動を休止していた福岡市の「チャイルドライン@ふくおか」が、再開に向けて準備を始めている。子どもの悩みが多様化する中、相談電話の3分の2が受けられてない現状に「子どものSOSをいっそう見過ごすことになる」とスタッフの一部が再開を模索。今月29日からキャッチャー(電話の受け手)の養成講座を開始し、来年4月の再開を目指す。

 チャイルドラインは18歳以下が匿名でかけられる。キャッチャーが聞き役に徹するのが特徴で、子ども自身の力で問題解決への道を探ることをサポートする。欧州を中心に始まり、日本では1998年に東京都世田谷区の団体が始めたのを皮切りに、全国に広まった。

 2008年からは全国共通のフリーダイヤルを導入。電話は近くの回線に振り分けられるが、話し中だった場合、隣県へとつながるシステムになっている。

 福岡県内では3団体が登録し、最初の00年に発足した@ふくおかは、これまでに計約300人のキャッチャーを養成、平日の週2回、2~5人が待機して受け付けてきた。しかし中心メンバーが別の子ども支援活動で忙しく、常時の参加が難しくなったことから今年4月に休止。解散も検討されていた。

 ただ、チャイルドライン支援センター(東京)によると、実施団体は12年度の46都道府県78団体に対し、15年度は41都道府県71団体に減少。キャッチャー不足もあって14年度はかけられた電話の34%(約20万件)しか受けられず、九州でも鹿児島県を除いて2~3割にとどまっているという。

 こうした現状に危機感を抱いた@ふくおかのキャッチャー9人が中心となって再開に動きだし、聞き役の養成講座を始めることにした。新代表になった福岡市東区の歯科医、阿南信一郎さん(48)は「『用はないけどかけてみた』という子とじっくり話すと、家庭や学校に不安を抱え、どこにも相談できずにいたことが分かってくる。活動をやめれば、こうした声が受け止められない確率が高まる」と再開の理由を語る。

 養成講座は15~49歳が対象。福岡市で来年3月20日までの週末に12回開き、電話の受け方だけでなく、子どもを取り巻く課題や障害のことなどを専門家に学ぶ。参加費1万円(18歳未満は無料、学生は5千円)。

=2015/11/10付 西日本新聞夕刊=

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