四季の写真 患者に癒やし 九州がんセンター名誉院長牛尾さん 全国で撮影、出版

西日本新聞

 国立病院機構九州がんセンター(福岡市南区)の名誉院長牛尾恭輔さん(71)が、「写真でつづる癒(いや)し憩い-心の原風景と時の流れを」(海鳥社)の全4巻を出版した。外出や遠出がままならない患者や家族に見てもらおうと、全国各地に赴き、四季折々の風景や名所を撮りためた写真を収めた。「手術や薬だけが治療ではない。画像の力で、患者さんの心を癒やしたい」と話している。

 写真集は、牛尾さんが2001年から手掛けるホームページ「癒し・憩い画像データベース」に紹介した静止画から抜粋した。データベースは11月現在、静止画約24万6660枚、動画約9150本を掲載。ほとんどが牛尾さん自ら撮影したものだ。

 1巻の「木々のささやき」のページを開くと、新緑や紅葉など季節ごとに異なる樹木の表情が楽しめる。「こころ育む田畑」は黄金色の稲穂の波や田畑を見守るかかしなど、どこか懐かしい景色が広がる。

 「画像は見る人に思い出を運ぶ。それで患者さんの痛みや心配が軽くなるのです」と牛尾さん。写真集によって精神療法の一つ、ライフレビュー(回想法)の効果が上がるのを目指しているという。回想法については「病む人が人生を年代順に振り返ることで自分自身を見つめ直し、心の安定が得られる療法のこと」と解説する。

 専門は消化器の画像診断。09年の院長退任後も、NPO法人癒し憩いネットワーク理事長として、九州がんセンターの一室で画像整理や執筆に当たる。「患者さんの人生に少しでも重なる画像を提供したい」と今も全国各地に出向く日々だそうだ。

 各巻税込み2160円で収録写真をスライドムービーで紹介するDVD付き。癒し憩いネットワーク=092(555)8520。


=2015/11/27付 西日本新聞朝刊=

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