【貧困の現場から】(2) 公園で夜風に凍えた16歳 (2ページ目)

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 床一面に弁当の空き容器や服が散乱し、食べ残しの酸っぱいにおいが鼻を突く。大量のコバエが部屋を飛び回る。小学生のころの優は、自宅だった市営住宅の押し入れに隠れて、毎日のように泣いていた。

 物心が付いたころから両親は離婚し、母は家にいなかった。父と、10歳以上離れた「腹違い」の兄の3人暮らし。父はわずかな収入もパチンコにつぎ込み、兄を殴ってはバイト代を奪っていた。「夕食も朝食も食べられず、学校の給食しか口にしない日が珍しくなかった」と振り返る。

 家に帰るのが嫌で暗くなるまで校庭で遊ぶ優に、事情を知る先生がこっそり給食のパンをくれたり、「ごみ屋敷」のような自宅を片付けに来てくれたりしたこともある。同級生の家に泊めてもらうことも多かった。お風呂と温かい夕食はうれしかったが、「俺んちがいかに駄目かを思い知らされた」。

 母と会えるのは年に1度、運動会の時だけだった。 

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