九博、野外博物館を検討 自然の中で歴史楽しむ 今春にも研究会

西日本新聞

 九州国立博物館(九博、福岡県太宰府市)は、屋外に文化財の複製などを展示し、自然の中で歴史や文化を楽しめる「フィールドミュージアム」(野外博物館)の開設に向けた研究会を今春にも設置する。外部の専門家を交え、周辺に残る里山を含めた敷地内の活用法を議論し、将来的には別館や水中考古学の研究機関の開設も併せて考えていく。

 九博は約17万平方メートルの山林を切り開いて建てられ、現在も敷地の大半を山林が占める。フィールドミュージアムはそうした立地条件を生かして博物館の新たな魅力をつくり出すのが狙い。これまで内部で検討を重ね、「自然環境との共生・調和」「市民参加型の広場作り」を基本コンセプトに設定している。

 具体的な施設には複製文化財の野外展示、土器作りなどの体験工房、人間の生活に利用できる草木の植物園、野外ステージといった案があり、主に博物館南側の活用を想定。既に、野外展示を見据えて3次元プリンターを使い、耐久性が高いセラミックス製の複製を作る技法も確立している。

 九博が設置する「フィールドミュージアム構想研究会」(仮称)は造園学や環境工学、建築学、農学、考古学、動物学などの専門家約10人で構成。別館や水中考古学研究所の新設も念頭に「50年後、100年後を見据えた」構想を描く方針。著名作家の作品が野外に並ぶ「彫刻の森美術館」(神奈川県箱根町)や古代山城を再現した「歴史公園鞠智(きくち)城」(熊本県山鹿市)などの先例も参考にする。

 島谷弘幸館長は「九州の文化拠点として現施設だけでは不十分。博物館は常に進化しなければならず、九州にふさわしい選択肢を示したい」と語り、九博の建設誘致時のような経済界や市民と連携した運動につなげたい考えだ。


=2016/01/05付 西日本新聞朝刊=

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